第2話

夢を見た。

「夢のかんたん英語学習」の表紙の女の子が、僕の目の前に立っている。


‘’I am Yume.‘’

女の子が英語でしゃべる。


‘’I can not すぴぃく イングリッシュ‘’

僕は答える。


女の子はケラケラ笑う。

けれど、不快には思わなかった。

馬鹿にして笑っているのではなく、本当に楽しいから笑っているのだ。


そう思うと、この子をもっと笑顔にしたいと思う。


‘’I am...‘’

何か、気のきいたこと言わなきゃ!

「僕はかんたん英語を勉強する人です」

だから、英語に直して言うと、


‘’I am かんた‘’

ん英語を勉強する人。


あ、かんだ。

あかんやん。

かんだやん。僕は頭を抱えた。


こうして、僕は、彼女から「かんた」と呼ばれるようになった。

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