第12話 好きだから助けたかった
「しっかしお前がまさか喧嘩するなんて。小学生以来じゃない?」
オレはタヌキ(先生)に村井と一緒にこっぴどく怒られてから和正と下校している。
詩音さんは遅くなって暗くなったのでお母さんが迎えに来ることになった。
「あの時もお前が女子助けてたよな」
「えっ?」
ああそんなこともあったな。
小学校の時。
通学班の班長が太ってるのを何人かの男子にからかわれてて、オレ普段はそんな勇気ないくせに図体のでかい年上の男子をやっつけたことあったっけ。
「健人はすごい偉いよ」
「いやあれって」
初恋だった気がする。
それに弱いものいじめをする奴が許せなくって。
オレも弱いから分かる。
弱いからっていじめたりしていいわけ無い。
それに。
優しかったんだ。
あの子。
転校しちゃったけど。
好きだから助けたかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。