4月1日 叶うことなら…。
【4月1日執筆→遅れて公開】
さて、僕はいま北海道にいる(廻天の更新が止まってるのはこのせい)
それもある路線の始発駅、苫小牧からこれを書いている
今朝、2021年4月1日を以て大部分が廃止された――日高本線の起点だ。
昨夜 "最終" に乗ったときの思い出を綴ろうと思う。
全長147km、特に鵡川より先、様似までの116kmは日高本線の醍醐味だった。
線路は護岸の上と砂浜を走り、車体には太平洋の荒波が打ち付けることさえある――海の鉄路だ。車窓からは時折サラブレットが見え、競走馬の聖地として名高い日高の象徴でもあった。この光景に僕は深く魅せられたのだ。
しかし、その立地が災いした。
2015年の高波で線路ごと崩され、膨大な復旧費用から運行再開を断念。鵡川-様似の116kmは、列車代行バスのまま本日の運行最終日を迎えた。
最期の列車は「バス」だった。
結局、不通の鉄路に再び列車が戻ってくることは叶わなかった。
電車目当てのオタクがいないため治安が良かったし、ゆえに純粋に日高本線を愛した人々だけが集う、暖かくて、余計に切ない別れだった。
けれど。
けれど、叶うことなら――もう一度、ここに列車を走らせてあげたかった。
春、出会いと別れの季節。
また一つ「卒業」していくローカル線へ向けて、心奪われる景色を見せてくれたことへの感謝とともに、餞に少し長い唄を贈ろうと思う。
或るローカル線を舞台に、精霊の女の子と少年が織りなす儚い世界。
題『世界は日高色に染まる』
是非聴いてほしい。
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