第230話

「ええ、若い女性がひとり巻き込まれたようで……」

「うん、若い女性か……」矢作は顔を歪めた。

「ええ、亡くなったようで、お気の毒としか…!!」

「ああ…、そのひとりだけなのか……」

「ええ、この大惨事にしては不幸中のさいわいです……」

「ああ……」

 バスは、まだ消火されていた。黒い煙が青空へ昇っていった。





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