第203話

 ナゼか、胸が痛んだ。


「私には…、才能がないって解ったのよ……」

 レイラがポツリと呟いた。

「え…、才能……」

「そォ…、ピアノのねぇ……」

「ピアノ……」

 

「パパの…龍崎家の権力ちからで…、プロになる事はできても…、本物のプロにはなれない……」

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