第123話 一千万

 どうする……

 振りきって逃げるか。


 いや、そんなバカな事をしたら余計、怪しまれるだけだ。


『落ち着け!!』


 まだ何も私と万堂を結びつける証拠はない。



「フフ……」

 矢作は、ニヤニヤと笑いながらに、徐々にアタシを追い込んできた。



「万堂は、嵐の夜、銀行のATMから一千万を下ろしたンだ……

 ところが、その夜に何かがあった。

 そして……、万堂は殺された。

 しかもその一千万も消えちまったンだよ……」







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