　部屋は、独身男性にしては綺麗に片付けられていた。よほど几帳面なのだろう。

「フフ…バスルームは、こっちだ！！

　すぐに沸くはずだから……！！」

　ひと通り部屋を案内すると、オーディオからショパンのピアノ曲『雨だれ』が流れた。

　外は、どしゃ降りだが、防音設備が整っているのか、落ち着いた気分にさせてくれた。

「フゥ～ン…！　彼女の気配はねぇ～な…」

　遠慮なく室内を見回した。

「フフ……だから言っただろ！！

　俺、一人だって……

　あとは…、着替えか……」

　クローゼットを引っ掻き回した。

　アタシはリビングに入り、何気にキャビネットを見た。

　フォトフレームが置いてあり、飾ってある写真を見た途端、ハッとした。

「こ、これは……❗❗❗」

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