『完璧美少女』とラッキースケベがしたい!
第20話自宅デート(仮)~はじまりの章~
いきなりだが俺は今、神崎家の衣裳部屋のクローゼットの中に隠れている。あるミッションの遂行中に思わぬ来訪者があったため、突如クローゼットの中に潜伏しているわけだ。
いやちょっと待ってくれ。電話をかける準備をしないでくれ。俺は別に怪しいものじゃない。きちんと神崎の許可を得た上で、神崎家に招かれているゲストだ。全く問題ない。
その来訪者は今鼻歌交じりに、背中まで流れ落ちる黒髪をなびかせて衣服を脱いでいる途中。来訪者たる神崎藍は、ブラウスのボタンを上から外しているようだ。俺がいるクローゼットの隙間からは非常に残念なことに神崎の後ろ姿しか見えないが、これだけでも十分今日のおかずには困らないレベルだった。肉つきの良い白磁の肌に食い込む黒の下着が露わになり、そのコントラストが俺の本能を刺激する。今にもクローゼットから飛び出していきたい衝動をなんとか理性で抑えつつ、目を凝らして神崎の後ろ姿を網膜に焼き付ける。
俺がそうしている間にも、楽し気な鼻歌に交じって衣擦れの音が室内に響く。そして、両手でスカートを下すと、黒のパンティが俺の視界に飛び込んでくる。乙女の花園を守る黒の守護者の守備範囲はかなり狭く、むっちりした二つの丸みを俺の目から守る術はない。
そんな俺が見ているとはつゆ知らず、神崎は一糸まとわぬ姿になる。それから脱いだ衣服を丁寧にたたみ、かごの中に入れて出ていった。パタンとドアが閉まる音を確認して、俺はようやくクローゼットから出ることができた。フーとため息をつきながら、高鳴る心臓の鼓動を落ち着けようとする。
そこでふと目に映る好きな子の脱ぎたての衣類。その一方で感じる、早くこの部屋を出なければいけないという焦り。
さてさてこんな状況にいたらみんなはどうするだろうか?
リスクを取って高いリターンを得るか、リスクを減らすために高いリターンを切り捨てるか。
男子高校生だったら取るべき選択肢は一択だよな?
男にはやらなきゃいけない時がある。そんな覚悟を決めて、衣類に手を伸ばそうとする。その瞬間、俺の頭の中に過る違和感。目の前に映る神崎の私物を見つめることしばし。どうにも浮かんだ違和感を解消できずにいると、扉の開く音が聞こえる。
振り返ると、透き通る肌を惜しげもなく晒した神崎の姿。加えて、羞恥で赤に染まった表情は場違いながらもそそるものがある。と同時に違和感の正体が明らかになった。
「神崎って実は巨乳じゃない?」
「ーっ。記憶を失えぇぇぇっっっ」
彼女が投擲した洗面具が顔にジャストミートして、俺は後ろ向きに倒れていく中、今日の出来事を思い出していた・・・。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます