第86話 自殺の引き金(トリガー)に指をひっかけて

 最近、自殺が多い。

 芸能人の自殺も多い。

 役に立たないワイドショーなどはあれこれ原因を究明しようとする。


 で、自殺未遂を何度がした私が言う。

『そんなの何の役にも立たない』


 自殺したい理由は様々だ。

 それこそ、深刻な虐めだったり過失だったり悲観もある。

 だが、逆に「なんとなく」という曖昧模糊あいまいもことした理由にもならない理由だったりする場合もある。


 マヤ文明に置いて自殺は悪ではなく、天国へ行ける手段であった。

 実際、イシュタムという自殺の女神がいたぐらいだ。

 自殺を悪とするのはキリスト教などの影響だ。

 

 もっと書けば、広義的に考えれば時々出てくる「安楽死」も自殺に近い。


 ただ、一つだけ言えることがある。

 それは自殺を選ぶということは世界や自分に「生きる価値」を見出せなくなっているということ。

 もっと単純に書けば世界や世間に『面白いもの』『充実感』『素敵』などと思えるものがないということだ。

 そして、それらはちゃんと努力したり尊敬したり行動しないと身につかない。


 でもね、私もそこまで悟っているわけではなく、仕事や自分のこと、才能の無さに「この世界から『さようなら』したら楽だろうなぁ」と思うことも多かったし、時々ある。

 仕事が出来なかった八年間の最初の頃は毎日自殺のことばかり考えていたときもあった。


 だから、私の目の前で『自殺したんです』という人にこう言いたい。

「大丈夫、死ぬときはどんなにあがいても死ぬ。逆に言えば、それまではどんなことをしても生きる。だったら、自分の好きなことを頑張りなよ」

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