第20話 いくらなの?
○×公民館は、営利料金(通常料金の5倍)さえ払えば一般の会社も使用することができる。
そんなわけで、最近、健康食品の販売会社の使用が増えてきた。ちょっと怪しい会社も混じっているが、条例では違反にならないのだ。なお、ターゲットは元気なお年寄りである。
窓口には、
「今日、ここで、このハガキの会、なかったかしら?」
と言って、健康食品のチラシが印刷されているハガキを見せるおばあちゃまがたが出没する。
「そうですね……」
この手の会社の名前は我らアラサー世代でもちょっと覚えにくい。考えていると、
「△さん。おはよう。こちらですよ」
おばあちゃまの肩に手をぽんと優しく置いて、笑顔で答える爽やかイケメン男子が現れた。
「あら。おはよう」
おばあちゃまは、テンション高く去っていく。イケメン男子とともに。
健康食品は恐ろしいほど高い。あのイケメン男子はいい商売ができると思ったに違いない。
……しかし‼
あのおばあちゃまの中では、
『イケメン男子のスマイル=プライスレス』
なのだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます