剣聖6

その日の夜、俺達はヨッジーから教会前の広場に来るように連絡があった、


ヨッジー

「おう!ダイン書き込みを拡散しておいたぜ!」

 

ヨッジーが教会の前で腕組みをして待っていた。


「拡散?」


ヨッジー

「おう!ネットでアクアさんがピンチなこととかいろいろ書いて同志募集したぜ、それでその集合場所をこの先の丘にしてある」


「おう、すまんな」


ヨッジー

「で?アクアさんの演説内容はまとめたのか?」


「ああ、本人の中で言いたいことが決まったらしい」


アクアさんの方を見るとコクンと頷いている。


ヨッジー

「それは良かった、そしたら移動して俺達はプレイヤー達に混ざるからアクアさんは頃合いを見てみんなの前に現れる感じで」


「そうだな、俺がマスターだと分かると厄介だしアクアさん後は任せて大丈夫かい?」


アクア

「ええ、大丈夫です!」


ヨッジー

「よし!ネットにはそこ通路の奥が集合場所になってるからもうちょっとしたらそこに行って皆に話してくれ」


アクア

「はい!」


それからしばらく経つとプレイヤーがワラワラと集まってきた、人数はおよそ100位でちょっとしたお祭り状態だ

「ほんとに姫騎士くるかな?」

「ガセネタって可能性も否定できんからな」

皆、半信半疑の様だ。


ヨッジー

「そろそろ行こうか」


「アクアさん、頼むよ」


アクア

「わかりました」


アクアさんは変装を解いて会場へと向かい俺達はプレイヤーとして会場に紛れ込んだ、

暫くするとざわめく声が聞こえ始め、アクアさんが現れた。


アクア

「皆さん!今日はわざわざ私の為に集まってくれてありがとうございます」

 

突然現れたアクアさん

「おおおお!本当にきた」

沸き立つ会場


アクア

「大変申し訳ないのですが、折り入って皆さんにお願いしたいことがあります」


プレイヤー達もネットを見て来ているので大体の事情は察している

「助けてくれってことかな?」

「運営ぶっとばしてやるよ」

「まあ、気持ちは分からなくないが…」

「報酬はあるの?」

「内容次第かな」

「蘇生不可になっちゃたんだって可哀そう><」


プレイヤー達もなんとなく状況は解っているようだが、報酬等の事を考えると中々一筋縄でいかないことが反応が一部みて解る

それを見ながら俺の横でヨッジーが


ヨッジー

「アクアさんここで一言助けて下さいと涙ながらに訴えれるなり…」


「まあ、うちらに報酬は出せないしね…多少は味方になってくれる人が出てきてくれるか…」

 

しかし…


アクア

「どうか私のせいで襲われてしまう皆さんを守って下さい、私は死んだとしても悔いはありません!しかし、私のせいで多くの人の笑顔が奪われるのは耐えきれません」


ガク


俺とヨッジーは盛大にコケ


ヨッジー&俺

「ええええーー」



ざわつく会場


アクア

「私のせいでいろんな人を巻き込んでしまい…しかし私の力では守ることもできません、大変申し訳ないのですが今の私では何のお返しもできません……ですが、どうか民だけはお守り下さい」


アクアさんが深く頭を下げる


それを見ながら


「まあ…アクアさんらしいっちゃアクアさんらしいが」


ヨッジー

「ダインこれはきっついことになりそうだな…」


「ああ…」


先生

「うむ、アクアそれで良い」


静まる会場、 告知と違う内容の演説にざわつく会場に俺達は自分たちで戦う覚悟を決めた。


ヨッジー

「こうなった以上 長居をしてもしょうがない撤収だ」


「わかった」


俺はPTチャットでアクアさんに撤収の指示を出し後方に走って路地裏で変装するように指示した。


アクア

「皆さん、宜しく御願い致します」


そういって深々とお辞儀をして逃げるように撤収した…



~ 町の宿屋~

 

アクア

「ごめんなさい、せっかく機会を頂いたのに」


ヨッジー

「まあ、アクアさんの気持ちもわかるけど…厳しい戦いなるよ」


アクア

「覚悟の上です、主達にはそれにつき合わせてしまい申し訳ないです」


「まあ乗りかかった船だ、こうなった以上やれるだけやりますか!」

 

俺がそういうと……


先生

「うむ、儂は最初からこの作戦は気にいらんかった!何事も他力本願ではいかん!今から最後の修行じゃ」


ヨッジー&俺&アクア

「えーーーー」


明日ついに次のグランドクエストが始まる……


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