第33話 Lenny Kravitz(レニー・クラヴィッツ)
久々更新します。
このところ、ずーとキングヌーで満足しちゃって、部屋でも車でもキングヌーで、家族からたまには他のも聴いてくれ、という苦情まできてしまいました。
飽きたわけじゃないけど、やっぱり自分も他のも聴く気になってきて、ぽっと久しぶりに聴いたのがレニー・クラヴィッツ。
高校2年の頃、聴いたのが『Are You Gonna Go My Way(自由への疾走)』。初めて聴いた瞬間、あー、しくじったー、と思いました。だってこんなカッコいいリフありますか?わかりやすてガツンとくる泥臭さというか古臭さというか、当時90年代はディスコビートみたいなのが主流で、ユーロビートとか流行ってて、それに反発するようにグランジ系バンドがどんどん出てきてて、そんな中でレニー・クラヴィッツだけ、ロックの王道を貫いてる崇高ささえ感じました。
そんなに褒めるなら何をしくじったかというと、ギターにすればよかったー、と思ってしまった自称ベーシストの17歳。じゃあギターに変更すればいいのだが、この17歳は努力が苦手で、また初めからギターを練習するのはちょっと無理。でもちょっと家にあるギターで、このリフを練習したりして。
もし楽器やろうって思って、その時聴いたのがレニー・クラヴィッツだったら、ギターにしようとフライングV(V字型のギター)を買ってたかもしれません。それで夏休みだけドレッドヘアにしちゃってたかもしれません。バンドやってた真面目君たちは先生に怒られるから、夏休みだけ金髪にしたりして、なるべく先生に会っちゃう所は行かないようにして過ごしてたんです。シャンプーで落とせるぺんきみたいな髪染めスプレーと売ってたんですよ。自分で見えないから、耳の後ろが黄色になってる奴とかいたり。
楽器屋の貸しスタジオみたいなところで遭遇したのですが、他の高校の奴でアラブ人みたいに髭ボーボーの奴がいて、僕たちの間で「JAYWALK」と渾名つけてたんですけど、スタジオから漏れる音が何の曲かわからないけど異様にポップな曲を練習してて。今だったら「マッキー」と渾名つけてたかもしれません。
まあ髭ボーボーは置いといて、いつも行く楽器屋さんで「フライングVは重いし、座って弾きにくいから練習しづらいよ」と忠告されたかもしれません。
とにかく、レニー・クラヴィッツはその当時珍しいほど真っ直ぐなロックを演ってた数少ない1人だったと記憶しております。
未だに新しいことをやってくれそうな気がして、新譜が出ると買ってしまうんですねー。
2014年の『ストラット』の1曲目の『SEX』なんかはバックコーラスで「SEX SEX SEX♪」って、まあまあ落ち着こうよっていう感じがします。
やっぱり好きなアルバムは、初期の頃のやつに集中してしまうんですね。
レニーの凄いところはアルバム1枚に対して、爆発的にカッコいい曲が絶対入っているということ。
1stの『レット・ラヴ・ルール』からは5曲目の『アイ・ビルド・ディス・ガーデン・フォー・アス』、これは痺れました。まったりとした曲なのにパワフルで後半にかけてシャウトしていく。シャウトってカタカナにしちゃうと軽いですね、もう悲鳴です。こんな悲鳴が出せるミュージシャンになりたかった。
2stの『ママ・セッド』からは4曲目の『イット・エイント・オーヴァー・ティル・イッツ・オーヴァー 』、どうしたらあの顔でこんなにも優しくゆったりした心地いいイントロが思いつくの!しかも8曲目の『オールウェイズ・オン・ザ・ラン 』の作曲はスラッシュですからね。まいった。
そして4stの『サーカス』は1曲目『ロックンロール・イズ・デッド』はもう『Are You Gonna Go My Way』に匹敵するパンチ力。ロックは死んだと歌ってるくせにゴリゴリのロックです。
『ストラット』の『 SEX』もそうだけど、この人1曲目にドカンとした曲にすること多いですね。だからどの新譜を買っても、1曲目のワクワク感は他のアーティストと比べると別格です。「あー、今回もやられたー」となるのです。
でもでも、やっぱり何回も聴いてしまうのは3stの『自由への疾走』。アルバムとして最高傑作と思ってます。当時でも古臭いロックが逆に新しく聴こえて、昔の曲に聴こえるんだけど、今聴いても新しいというか、うーんなんて表現したら良いのだろう。PVではアフロの女性ドラマーがいたり、ファッションも古臭く、でもそれがレトロで新しいという風潮は、今の音楽やファッションでも同じじゃないですかね。
またレニーの凄いところは、ほとんどの楽器を自分で弾けて録音しちゃうところ。僕の中では1人多重録音でアルバムを作ることを岡村靖幸方式と呼んでいて、多重録音機を使い岡村靖幸方式でデモテープを作ってみんなに聴かせるのですが、ドラムの録音は難しいのでリズムマシンとか使っていると、珍しい音とか使いたくなっちゃって、なんかテクノっぽくなっちゃうんですよ。それでメンバーに却下される。また、部屋で1人で歌を録音してると、母ちゃんの「なにやってんの!」という声まで入っちゃったり。
個人的には、8st、2008年の『ラヴ・レヴォリューション』も捨てがたい。このアルバムは『自由疾走』と並ぶ名作で、一般的にはこのアルバムの方が日本では有名かもしれないです。あの映画「デスノート」の続編、「L change the WorLd」の主題歌として「アイル・ビー・ウェイティング」が使われてますね。メッセージ性の強いゆったりまったりロックがレニーの特徴で溢れてます。でもこのアルバムの良さは1曲目から4曲目の流れが最後なのです。
いつものアルバムの調子で1曲目にはリフがカッコいいガツンと系の『ラヴ・レヴォリューション』から始まり、2曲目は『ブリング・イット・オン』の少し緩やかですがノリの良いサウンドのロック。続いて3曲目がガラッと変わり、落ち着いた曲調の『グッド・モーニング』で爽やかな気持ちになったところ、4曲目の『ラヴ・ラヴ・ラヴ 』のギターリフで再度やられてしまうのです。
この流れは何度聴いても飽きません。
このアルバムの頃はもう髪が短髪でドレッドヘアじゃないですが、レニーのイメージってあのドレッドに鼻ピアスの印象が1番強いんだよなぁ。絶対シャツとかジャケットのボタンをはだけて胸毛出して。
ブラック系の人たちってR&Bとかソウル、ファンクとかが多いけど、レニーはその要素も含んでいるのにやっぱり王道のロックを貫いているというか。僕はギタリストで言うとジミ・ヘンドリックスより断然レニー・クラヴィッツ派です。
あー、僕も鼻ピアスしてドレッドヘアにして、胸毛生やしてフライングV弾きてーなー、と思いながら今日は寝ます。
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