第18話 ベルベット リボルバー

 前項でも書きましたが、ヘヴィメタルは苦手ということですが、ゴリゴリのアメリカンロック的なものも少々苦手で、やっぱり見た目が受け付けないのでしょうか。

 金髪ロン毛で、派手なプリントのノースリーブTシャツにジャラジャラ鎖をつけて、ピタピタの革パン。大門みたいなデカいサングラスをずらしてかけて、みんな同じに見えてわからない。わかった、わかった、ってなってしまう。


 その苦手代表格が、「ガンズアンドローゼス」。たしかに『ウェルカムトゥーザジャングル』は凄いいい曲だし、『パラダイスシティ』はギターリフ聴いたらテンション上がってしまうけど、なんでしょう、アクセルの声が苦手なんでしょうか。ガンズファンの人には言い難いですが、顔が嫌い、というか。


 だからCD持ってないので、たまに聴きたくなると、動画で検索して見ると、確かにカッコいいんですけど好きになれない。性格が悪い人なのでしょうか、難しい人なのでしょうか、メンバーが変わり過ぎです。wikiなんかで調べると、旧メンバーが鬼のように出てきます。


 それにスラッシュとダフ・マッケイガンは1度脱退して戻ってきてます。やはりアクセル・ローズという人に何かあるんでしょうか。


 それでも苦手なハードロックヘヴィメタルの中でも「ガンズアンドローゼス」が気になってしまうのが、やはりサウンド面の良さでしょうか。特にギター/スラッシュ、ベース/ダフ・マッケイガン、ドラムス/マット・ソーラムの布陣のサウンドがいいんです。


 とはいえ、僕がそれを知ったのは、ガンズアンドローゼスではなく、「ニューロティックアウトサイダーズ」というバンド。


「今から死ぬまで、このミュージシャンしか聴いちゃダメなら誰?」という質問には必ず「デュランデュラン」と答えています。(友人と呑んでいると大体この質問が出ます)


 そのデュランデュランを1度脱退したベーシスト、ジョン・テイラーと、セックス・ピストルズのスティーヴ・ジョーンズと組んだバンド「ニューロティックアウトサイダーズ」

 そこにダフとマットの名前が。

(そういえばスティーヴ・ジョーンズって、デュランデュランを初めに脱退したアンディ・テイラーともやってたなぁ)


 でもこの時ダフはベースではなくギターのクレジット。だから始め僕は、ダフはギタリストだと思っていたのですが、どうやらガンズアンドローゼスのベーシストらしいと。


 ベーシスト(現在ほとんど触っていませんが)としては、ベースがカッコいいバンドというのが好きで、ジョン・テイラーはベーシストイケメンランキング(勝手に)で1位。続いて2位は、ダフ・マッケイガン!現在のガンズでは、太ってしまったアクセル(ファンの人、すみません)に対し、ダフは190の身長ですらっとしていて、いい感じに年をとってカッコいい。


 そしてその流れで2002年。ガンズのギタリストの、スラッシュがダフとマットと新しいバンド始動!それが「ベルベットリボルバー」。名前を聞いたとき、ちょっと「ダサッ」と思ったけど、聴いたらそれは払拭!


 ボーカルはスコット・ウェイランドという知らない人。元ストーン・テンプル・パイロッツという、これまた聴いたことないバンド。


 ファーストアルバム1曲目の『サッカートレインブルース』、1曲目からやられてしまいます。全然ブルースではないです。ロックです!

 アルバム12曲目の『ダーティリトルシング』のPVを見ると、スタンドマイクにしがみついて、クネクネ変な動きで目がぶっ飛んでいるスコットは、シド・ヴィシャスを彷彿させます。このスコットという人も、薬物で亡くなっているらしい、んー、シドっぽい。

 また忘れてはいけないのが、もう1人のギタリスト、デイヴ・クシュナー。スキンヘッドのヒゲのおじさんで、ライブ映像なんかではひたすらリフを弾いてる姿はギター職人。この人がいないとベルベットリボルバーのサウンドが成り立たない。縁の下の力持ち的な、X JAPANでいうとPATAみたいな、絶対いなきゃいけない人。


 2曲目の『ドゥイットフォーザキッズ』という曲は、スコットの♪went too fast I'm out of luck and I don't even give a fuck♪ってシャウトから始まるんですけど、僕には早くてなんて言ってるかわからないので、♪フェトゥファ£アウラアンダ§♂ドンエギブァFUCK!!と誤魔化しながらテキトーに歌ってます。

 僕はシャウト始まりに弱い。クイーンの『ムスターファ』、「ベイカーブラザーズ」というジャムバンドの「テン・ペイシス」というアルバムの1曲目『READY...AIM...』という曲は、ファイヤー!というシャウトから始まりカッコ良過ぎ。あとは「筋肉少女帯」の『これでいいのだ』。この曲の「これで、いいのだぁー!」というシャウトは、ずっとベーシストの内田雄一郎さんだと思っていたんですが、実はタレントの伊集院光さんだと最近知りました。


 話が大分逸れましたが、このベルベットリボルバー、2枚目のアルバム「リベルタド」も1曲目の『レットイットロール』から飛ばしてます。スラッシュのギター最高。重いサウンドのザックワイルドと違った、やや軽めだけどパンチの効いたリフが好きです。

 ボーカルのスコットも、前作よりやや落ち着いた感があり、静か目の曲『ザ・ラスト・ファイト』もいい曲です。

 危なっかしい前作より、これから続く王道のバンドになってくれるかと思いきや、アルバムはこの2枚。スコットが脱退してしまいます。

 よくわからないですが、不仲説が。メンバーでもスコットの薬をやめさせようとしてたのでしょうか。このスコットという人、1度薬物で逮捕されているそうです。スコットは1番影響を受けたアーティストとして「デヴィット・ボウイ」をあげています。ボウイの曲をカバーしたりして、共通の友人にボウイが心配して、「もし助けがいるなら、話を聞こうと伝えてくれ」と言っていたそうです。その後すぐにスコットは亡くなり、その1ヶ月後に今度はボウイが亡くなった.....。天国で相談にのってもらってるのかなぁ、と。


 なんかしみじみしてしまいましたが、このバンド、単なるミュージシャンの寄せ集めや、腰掛けのバンドじゃありません。

 もっと、もっと聴きたいバンド。やはり、スラッシュのギターと、ダフとマットのリズム隊の作る音が好きで、そこへデイヴの隙間を埋める職人技が、まだまだ聴き続けたいと思わせるサウンドを作り上げてます。たとえヴォーカリストが違っても、このバックでのサウンドで歌えるボーカリストがいるなら、またアルバムを出してほしい。


 アルバム2枚で終わってしまわないでほしいバンドです。スコット亡き今、新しいヴォーカリストを探しているそうですが、まだあ解散には至ってません。が、スラッシュとダフがガンズアンドローゼスに復帰してしまい、ベルベットリボルバーもこのまま活動なしになってしまいそうで。


 なんかしんみり。やっぱり薬物、ダメです!



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