R.novels 〜the story with twin〜

まるいはっぱ

Prelude

 KaedePart


三月十三日の正午を過ぎた頃、俺はこの学校に来なくても良くなる安堵と、これからの新しい生活に懸念を同時に感じた。

「…って何でお前と一緒の高校行かなきゃならんのよ…」

「あっははははっ!そんなこと言わなくてもいいでしょ?颯斗君」

「お前のその能天気さが心配なんだよ…。高校でやらかして退学になっても困るでしょ」

「まあ、その時はその時だから」

真継まつぎ来羽くるははなぜこんな能天気なんだよ、、、いっそのこと生徒指導役員よろしく退学にした方が良さそう。

「あ、そうそう颯斗君。九高くこうで寮生活するの?」

「そうだな。する予定かな」

「おや?おやおやおや?アタシと同じ寮生活ってことは毎日毎日、夜に突撃してくるのかな?どうなのかな〜?」

「しねぇよ馬鹿」

なんか来羽がそこは普通襲いかかるとかどうたらこうたらとか言ってるのでとりあえず無視しておく。

九重ここのえ高等学校…通称九高は、希望者のみ寮で生活ができる学校なのだが、偏差値は全国の平均的な場所に居て、なおかつ部活とかでも目立った成績がない為か、非常に知名度が低い学校である。

なんでそこに入ろうとしたのか、というとただ単に高校生活でそこまで充実したくもないからだ。かと言って底辺校にも通いたくなかったという理由もあるんだが…

 そんなこんなで帰宅しようと、教室を後にしたのだった。勿論のことなのだが、来羽は「待ってよ〜」とか言ってついてきた。


 …実はさっきの会話を聞いてた連中からの視線が非常に痛かった

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