射影

笹乃秋亜

狂人






死んだ眼を虚ろに見開いて

ベルトコンベアを流れる魚群が

カチカチ廻す歯車が犇めく

歪な機械生命体の咀嚼音が

聴こえる時


逃避衝動に駆け出した

錆びれた都市の

影の憂鬱に呪われ

ゲシュタルト崩壊した自我の破片は

側溝の奈落に沈む


機械の支配下にて

神聖なる絶対領域に打たれる毒薬に

嫌悪と破壊衝動を抱く

反逆的異分子の狂人は

拒絶反応の内に

溺死を夢見る





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