第34話 腕枕

寝ぞうが

悪いというよりは

隣に眠っていたら

いつの間にか

彼の腕の中から

下へ下へ

ずり落ちて


のちに

目覚めた彼は

少しの間

私を探していた


私は随分下の方で

たいてい

横向きで

9の字に曲がって

眠っていた


私は腕の中で

眠れた試しはなく

気を遣うあまり

布団の中で

行方不明となる

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