第4話 私は可愛くなった?
おじさんが起上ったので目が覚めた。目覚ましは9時を過ぎている。外は晴れて天気がよい。ここへ来た雨の日が嘘のようだ。冬が本格的になると晴れた日が多くなる。外はまだ寒そうだ。また、今朝と同じことをされると辛いから眠ったふりをしていた。
私が眠っていると思っておじさんは静かにベッドをたってバスルームへ行った。キッチンで朝食の準備をする音が聞こえる。土曜日でもしっかり朝食を食べるみたい。以外と規則正しい生活をしていると感心する。準備できたと見えて私に近づいてくる気配がする。
「起きてくれ、朝食だ」
私はすぐに起上ってバスルームへ行った。でも身体がだるい。歯を磨いて、顔を洗って、髪をとかす。髪は後ろにまとめてポニーテイルにする。これが一番簡単でヘアサロンに行く必要もない。身支度ができたのでテーブルに着く。
「さっさと食べて。11時になったら着るものを買いに行くよ。それからヘアサロンへも。もう少しましになってくれ。このままでは色気がない」
私は黙っておじさんの作った朝食を食べている。昨日と同じ朝食だった。食べ終わったので、私が二人分の後片付けをすると、おじさんは黙って見ている。ただで食べさせて貰っているから、これくらいはしないといけないと思った。
「後片付け、ありがとう」
お礼を言われると思わなかったので、とっさに頷いた。
「黙っていないで、少しはしゃべってくれ」
「はい」
「はいか? まあいい、嫌だとか言われるよりましか?」
私が嫌だとか言う訳がない。朝食をありがとうという気持ちでいる。
11時になったので、二人で出かけることになった。私が寒そうな身なりをしているのでおじさんはダウンジャケットを上から着せてくれた。温かい、おじさんは意外と気が付いて優しい。
おじさんは始めにユニクロに連れて行ってくれた。ここは価格が手ごろなうえにデザインも悪くないと言っていた。私に冬用の部屋着、パジャマ、下着類をそれぞれ何着か選ぶように言ってくれた。それから、値段はどれもソコソコだから遠慮しないでいいからできるだけ可愛いものを選ぶようにと言った。
私は嬉しくなって、着てみたいと思う可愛い服や下着を選んでいる。おじさんは後ろでニヤニヤして嬉しそうに見ている。
レジに選んだ服やら下着、パジャマを持って行く。結構な金額になったが、おじさんはカードで支払いを済ませた。私はおじさんに「ありがとう」と言った。本当に嬉しかったからだ。おじさんは「気にするな、俺の趣味だ」と照れながら言っていた。
店を出るともうお昼になっていた。二人でマックに入って、バーガーセットを食べた。私には贅沢なおいしい昼食だった。
それから、おじさんは私を商店街のヘアサロンに連れて行ってくれた。店に二人で入って行くと、怪訝そうに見られた。丁度一人が終わったところで、すぐにしてもらえそうだ。
「この娘の髪型をなんとかしてやってほしい。もっと可愛くならないか? カットだけでいいから」
店の人が私にどうしてほしいか聞いてくる。私はショートカットにしてほしいと頼んだ。髪形はおまかせしますと伝えた。おじさんはソファーに座って、私の髪がカットされるのを見ている。
あっという間に、私の肩まであった髪がショートにカットされた。顔がすっきりして結構可愛くなったと自分でも思った。
おじさんが出来上がった私の髪型を見ているけど、眉が気になるみたい。「その眉はなんとかならないか」と言うと、店の人が「近くの薬局の化粧品売り場で相談したらどうか」と言った。
それで、おじさんは教えてもらった薬局の化粧品売り場へ私を連れて行った。おじさんはどうしても私を自分好みの女の子にしたいみたい。これはおじさんの趣味だから任せておこう。
「この娘の眉を何とかしてほしい」というと、女性店員が私に眉の整え方を教えてくれた。他にいろいろな化粧品も勧められたが、おじさんは薄化粧がいいと言って、最低限必要なものだけを買ってくれた。私は嬉しくなって真剣に化粧の仕方と化粧品の説明を聞いた。
化粧品を買ったら、化粧品を入れるポーチをくれた。私はそのきれいなポーチが気に入ってとても嬉しくて胸にしっかり抱いた。ここでもおじさんに「ありがとう」とお礼をいった。おじさんは「どうせやるなら可愛い方が良いから、俺の趣味だから、気にするな」と小声で言った。
それからアパートへ帰った。買ってきた私の服や下着を片付けるところがないので、おじさんは整理ダンスの1段を空けて使わせてくれた。私は買ってもらった服や下着を大事にそこにしまった。
するとおじさんがすぐに着替えてみてと言った。私は一組の部屋着と下着を取りだして、後ろを向いて着替え始めた。着替えて振り返るとおじさんは私をじっとみていたが、すぐに私を抱き抱えてベッドに連れて行った。
着替えたばかりの服と下着が脱がされていく。この後のことはもう分かっているので、なすがままになっている。可愛い服を着せたかったという意味も、おじさんの趣味だという意味も分かった。私もこれでよかったのだと思うことにした。おじさんにとっても私にとってもこれでいい。
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