第19話 ホームレスの唄

   住む部屋が欲しい

   住所不定ではまともな仕事も無い


   食べる物が欲しい

   熱々の白飯と味噌汁が食べたい


   俺はホームレス

   意地を張り続けて生きて来た

   人目を避けながら生活をして来たのだ



   着る服が欲しい

   もう何年も同じ服を洗わずに着ている


   酒と煙草が欲しい

   しけもくを拾っても火をつける物が無い


   俺はホームレス

   つらい時は昔抱いた女を思い出す

   人生を諦めた俺はこのまま死ぬのだろう




   もし死ぬ前に逢えるのなら父ちゃんと母ちゃんに逢いたい 

   そして伝えたい 


   ごめんね ありがとう




*~*~*




 今日の仕事帰りに、土手にブルーシートで囲い、住んでいるホームレスの男性と出くわしました。


 すれ違いざまに、捨てられたしけもくを拾っていたので声をかけ、6本ほど入っていた僕の煙草をあげました。


 少しだけ話をしました。


 そしてその内容を詩にしました。


 1円も持っていないと言うので、可哀想になり1,000円札を1枚渡しました。


 僕は帰る家もあり、食べるご飯もお酒もあります。パートナーがいない事以外、恵まれているのです。


 自分に負けそうな時に、ホームレスの男性の事を思い出します。


 良い体験でした。

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