1-3 龍馬、女神から悪魔の囁きを受ける

 そういえば、記憶を電子化して転移させたとか言っていたけど、大丈夫なのかな?


「アリア? 記憶を電子化とか大丈夫なのか?」

「創主様は記憶障害が心配なのですか?」


「まぁね……お前も転移魔法とか初めて使ったのだろ?」

「ええ……でしたら、私たちに簡単に自己紹介してみてください。ユゴドラシルにはオリジナルの記憶が保存されていますので、それを参照して齟齬がないか判断できます」


「それなら確かにある程度の判断ができるかも……」


 という訳で、アリアたちにあらためて自己紹介をしてみた。


 俺の名前は小鳥遊 龍馬(たかなし りょうま)28歳独身。

 身長170cm・体重68kg、最近ストレス太り気味。

 大学卒業後に入った営業会社で社畜のように働かされお疲れ気味だ。

 外出もめっきりなくなり、筋力も年々衰えてきている。


 家で何をしているかというと、ほぼPCにかじりついている。

 MMOやアニメ・漫画・ラノベなどを見たり読んだりしているので、暇な時間は全くない。むしろいくら時間があっても遊び足らないくらいだ。できるなら働かずに暮らしたい……引きニートどもが羨ましい。




 うん、特に記憶におかしなところはないよな?


 俺の最後の記憶は、帰宅後にいつも通りボイスチャットを使ってMMOのダンジョン攻略中だった筈なのだが……寝落ち中にまさか俺が空想した過去設定の世界に召喚転移してるとはね。


 どこかの物理学者が言っていた『人が空想できる全ての出来事は、起こりうる現実である』

 マジで、不思議でおかしなことが起こり得るんだな……。



 俺の自己紹介を嬉しそうに聴いていたが、気になることがあるようで、アリアが質問してきた。


「創主様、お聞きしたいことがあります」

「どうした?」


「アウラのこと、どうして分かったのでしょうか?」


 名乗ってもないのにすぐに言い当てたのが不思議なのかな?


「気になるのか?」

「はい。『アウラ』という存在は創主様が創ってくれたのですが、現実に会うのは初めてです。15年も前のことですし、年齢も17歳と10歳では判断はできないと思います。羽と尻尾だけで判断できたのでしょうか?」


「焦らすほどのことじゃないので答えるよ。アリアはハートのチョーカー、アウラは十字架のチョーカー、ベルルは音は鳴らないけどベルの形のチョーカー……もう解ったかな? それらは俺がデザインした物だ。ちなみにベルルのが一番カッコよくするのに時間が掛かった。猫なら鈴で簡単だったんだけどね。ベルルは犬だろ?」


 俺の答えに皆が大事そうにチョーカーについているワンポイントのアクセサリーを握りこんでいた。


 おまえら、可愛いぞ~!


「これは、創主様から頂いた唯一のもの。私の一番の宝物です」


 アリアの奴、一番とか嬉しいこといってくれるな~可愛いぞ~。俺、ロリじゃないけどね。



「これは、御主人様と婚約した時の、誓いの十字架です。アーメン」


 アウラと婚約してないからね! それじゃ呪いの十字架だから! それにアーメンじゃねーよ! お前が神だろ!



「これが一番時間を掛けて作ってくれたもの……ふふふ」


 なんか勘違いしてる。単にしょぼいのをかっこよく見せるのに苦労しただけだけど……嬉しそうだし真実は言えないな。


「確かその素材『ブラックメタル』って希少金属にしたんだっけ? そんでもって『ユグドラシル』の鍵だったよな? まぁこの話はいいや……喜んでるところ悪いんだが、さっきの話の続きをしようか。確認なんだが、俺の体の本体は向こうの世界に在るんだな?」


「はい、向こうでご就寝中です。何も問題ないです」


「いやいや、大問題だろ? 明日は仕事ないけど、明後日までには帰んないと無断欠勤になるだろ? どのくらいのつもりで俺を呼んだのか知らないけど、あまり長期間こっちに居たら、俺の本体、餓死とかで死んじゃうぞ?」


 こっちに召喚するのに準備期間千年とか考えたら、俺の生きている間に帰す気が最初からないとも考えられるが、遠回しにやんわり聞いてみた。


「そうでした。説明がまだでしたね。今現在この世界『セリシール』は『闇黒竜』の時魔法をユグドラシルでブーストし、加速度的に時間を進めています。それはもう向こうの世界が停止しているかのごとく。もし創主様が戻られたいとおっしゃられ、あちらの世界に帰られる時がきたとしても、せいぜい向こうの経過時間は数時間程かと……」


 マジか!


 いや~~めっちゃ安心した! 実はもう帰れないのかも?と、凄く気にしてたんだよね~。


「なるほどな~、凄いことができるんだな、安心した―――」

「ですが、一つ私たちから提案があります」


 次の質問をしようとしたら、なんか話を被せてきた、なんだろう?


「ここからはアウラに変わってもらいます。アウラ、お願い」

「うん。御主人様に皆から提案があるんだ~。実は『電脳ユグドラシル』と『御主人様のPC』だけどね、繋がっているんだ~凄いでしょ?」


「こっちの文明レベル教えろ!」

「御主人様ご希望の~、時代は『中世ヨーロッパ風』剣あり魔法あり、ダンジョンありです~パチパチパチ。チート、ハーレムは御主人様次第! 嫁第一号は勿論、ワ・タ・シ! チュッ」


 キターッ! 文明チートキター! ググれば大抵解決するよね?

 ヒャッホー! 例の医者みたいにペニシリンいっとくか?

 あー、こっちにゃもっとチートな回復魔法があるか。なんか嫁とか言ってるがそこは無視だ。


「あ……でもお前らいいのか? 下手したら数百年一気に文化レベル上がっちゃうぞ? まぁ、あんまり無茶はやんないけど」


 あ、まずいな……なんかもうこっちの世界で協力する気になってるよ。

 アリアたち女神のこと、気づけばお前ら呼ばわりしてるし。


「その辺は心配してないよ~。だってここは御主人様が創った世界。好きにしていいんだよ~、勿論私も好きにしていいいよ~。で、素材としては向こうにある物は全部こっちにもあるのだけど、文明レベルの差で開発されてないものが一杯~。味噌とか醤油もないからね~。こっちにしかない物も一杯あるから楽しんでね~。回復薬とか飲めば見る間に傷とか塞がるからびっくりするかも~。ミスリルとかオリハルコンとか御主人様好きそう~」


「素材が全部あるなら探して作ればいいか……俺ってここじゃ『創造神』なんだし。でもお前よく俺の世界のこと知ってるな? ちょっと詳しすぎないか?」


「へへへ~色々調べた~。御主人様~、話それちゃったけど本題に戻すね~」


「ああ。ごめん。『ネット回線使用可』で興奮してしまった。で……提案だったか? なんだ?」

「うん。向こうに帰らないでこっちにず~と居てほしいんだ~」


「それは……」

「家族のことでしょう~? 特にお金とかが心配なんですよね~。病弱な妹さんの入院費とかだよね~」


 コイツ、まるで見ていたようだな……いや、見ていたのだろう……ず~と前から。

 ひょっとしたらこの世界ができて、俺と繋がった中学時代の頃辺りからず~~っと。



「そこで提案なんだけど~。そっちで宝くじのキャリーオーバー10億円とかあるでしょ~。あれをね~こっちにくる代わりに妹さんに残してあげるってのはどうかな~?」


「そんなことができるのか? でも、どうやって?」


「この案はね~、闇黒神のヴィーネちゃんからなの~。ヴィーネちゃんの属性は、空間・重力・時空なの~。未来に干渉はできないらしいけど、過去には少しだけ干渉できるんだって~。過去を変えると現在が変わるから、大きく変えちゃうと世界の理から外れ、時空に歪みができてしまって後始末が面倒らしいけど、こっちにはユグちゃん居るからね~、演算予測で問題なく変えたい事象だけ変えられるんだよ~」


 金で俺を釣る気か……アウラが言うと、女神って感じじゃなく悪魔の囁きのようだ。

 直接俺の手元に入る訳ではないが、それだけあれば妹に保険適用外の新薬など、最新の高度な医療が受けさせられる。


「もしこっちに残ってくれるなら、ヴィーネちゃんが少しだけ時間を逆行させてくれるんだって~。そこで私がユグちゃんを使って御主人様の銀行口座から当選確定数字を購入するだけ~。数時間後には10億円当選だって~。オンラインバンクって便利だよね~。後は御主人様のPCから妹さんの携帯電話にメールで『旅に出ます……探さないでね』と送信して、通帳と印鑑の場所、宝くじ当てちゃった~みたいなので完璧だよね~」


「それって完璧ズルだよな。皆ちゃんとお金出して夢見て買っているのに。女神様的にそれはどうなんだ?」


「なんか御主人様怒ってる~。私的にはダメだと思ってたんだけどね~。ヴィーネちゃんがね『私のスキルを最大限に使用して稼ぐのにダメとか言われたら、私が否定されてるみたい。こっちで創主様がチートスキル使うのは良くて、私があっちでチートスキルを使うのはダメなの?』とか言われて言い返せなかったの~」


 こちらとあちらでは話が違うだろ?

 ましてや異世界の神が関与して、他者が得るはずの権利を掠め取るんだ……善を司る神がやって良い訳がない。


「確かにズルして得るお金です。妹様にそんなお金を残すのも嫌かもしれません。でもそういうお金だと永久に知らなければお金の価値は変わりません。御主人様が少し嫌な気分を我慢してくれれば妹様は高度な治療を受けられ幸せでいられます。本音を言いますと、この世界を創られた御主人様が亡くなられると、この世界は崩壊します。もう御主人様がこの世界の最高神なのですよ。私たち女神はこの世界の信徒を守る義務があります。御主人様に義務とか押し付ける気はありませんが……お願いします。ご主人様が創られたこちらの世界を好きになってください。ついでに私も愛してね~」


 アウラの奴、急に真面目に喋りやがって……語尾延ばせよ~。

 それに最後で全部台無しだ。

 しかし、いくら異世界転移ものが好きだとしても、永久移住はちと考えるな……。


「この案は女神全員の総意と思っていいんだな?」


 この問いにはアリアが答えてくれた。


「いいえ、竜神たちも含めた神すべてです。1人力を使い果たして眠っていますが、もうすぐ目覚めるでしょう。創主様の命がなによりも最優先事項です。私たちなんかの命と比べようもありません。創主様の身の安全を確保するためなら自ら禁を犯しても後悔いたしません。それと、創主様がこちらに滞在している間に御力をつけ、こちらの世界からあちらの世界の妹様に関与できる魔法とか創造致すのはどうでしょう? ひょっとしたらあちらと簡単に行き来できるほどの神になられる可能性もあるのです」


 時間の流れが違うから、こちらで数千年数万年神として暮らせば、ひょっとしたらあちらの世界に関与できるほどの神になれるかもしれないのか。現代医学では治療が困難だとしても、妹の病気そのものを治せるかもしれない。悪い話ではないな。


「分かったよ。返事は今すぐじゃなくてもいいのだろ? 目的を果たして帰るまでに考えとく。こっちに愛着がわけば帰りたくなくなるかもだし、アウラの言う通り俺は間違いなくこっちの世界だとゲーム感覚でチートスキルを使うと思う。こっちは良くてあっちはダメとかふざけんなだよな……で、この後、俺はどうすればいい?」


「私たち三人に創主様の加護と祝福を与えてください。私たちの加護はもうその体に与えてあります。加護の説明は要りますか?」


「いやいい。俺の考えた設定どおりだよな? なら聞かなくても分かる。後で確認してみるよ」


「加護の与え方ですが。基本は、目視で対照を捉え『加護(祝福)を与える』と強く念じてください。そうすればその者に最適な加護を『ユグドラシル』が選んで自動で与えてくれます。通常の人に対してなら2つか3つ付けば良い方です。近くに居るなら、頭に手を翳すやり方のほうが確実です。今回私たち女神が相手ですので、選択して取らないと全ての加護と祝福が付いてしまうので、こちらで任意に選んでよろしいでしょうか?」


「ああ、かまわないが……持ってる加護全部あげたいのだが、ダメなのか?」


「御主人様はレベル1なの~。加護を与えたら、与えた人からMPを取られちゃうの~。いろいろ沢山与えたらその分のMPがなくなって危険なの~。だから御主人様も加護をあげる人は極力絞って、よく考えてね~。一度与えたらその人が亡くなるか返してもらうかするまでMPが消費され続けちゃうからね~。最低でもレベル20ぐらいまでは、加護あげちゃダメだよ~」



「了解した。じゃあアリアからおいで。『女神アリアに、我の加護と祝福を与える』」


 アリアの頭に手を載せたついでに、さわさわ撫でさせてもらった……癒される。


 アリアは金髪のややウェーブのかかった髪を肩まで伸ばし、目はグリーンでパッチリして可愛らしい感じの子だ。本来、色白美肌パツキン巨乳美少女のキャラ設定のはずだったのに残念だ。



「次、アウラおいで。『女神アウラに、我の加護と祝福を与える』」


 アウラもさわさわさせてもらった……髪質はアウラのが気持ちいいな……癒される。


 アウラはストレートの銀髪を後ろでまとめて腰の辺りまで伸ばしている。目は赤目で、耳は先がピンと尖がっている。任意で蝙蝠のような羽を出せて空を飛べる。尻尾があり、鞭のようにしなり叩かれると痛い。本気なら殺せるほどの威力だとか……普段は尻尾と羽は消しているようだ。そして彼女は吸血鬼……ヴァンパイアである。でも太陽も十字架も、にんにくや聖水とかも関係なしだ。女神だから聖属性なんか関係ないんだよね。


 俺はヴァンパイにも優しいぞ~。

 スマン、アウラ……成長しても確かちっぱい属性だったはず。俺設定なのでどう頑張っても大きくならないんだよ……マジスマン。



「次、ベルルおいで。『女神ベルルに、我の加護と祝福を与える』」


 ベルルのさわさわは別格だな~、犬ミミモフモフ~……超癒される。


 ベルルは獣人、獣人には10段階の獣人レベルがあり、ベルルは獣人レベル2、見た目はほぼ人と一緒。頭の上の獣耳とシッポ以外は大差ない。ちなみに獣人レベル10だとほぼ犬……二足歩行の人間サイズの犬だな。全身ももっふもふで肉球なんかもある。なんとか物が掴める程度で細かい手作業はできない。


 ベルルは種族でいえば犬族であるが、犬種はチワワ。毛の長い方のロングコートチワワだ。身長は130cm程しかない、体重は30kgぐらいだろうか? かなりの小柄で、髪はライトブラウンのショートヘア、目はパッチリしていてウルウルしている。俺設定でも確か元々ちみっこ属性だったはず。


 全員に加護を与えたが特になんともないな。


「ありがとうございます創主様。まだ皆もらった加護はOFF設定にしています。創主様のレベルがある程度上がったときに順次ONにして使わせていただきますね」


「それは良いのだが、答えてもらってないから再度聞くけど、この後の俺の予定はどうなっているんだ?」


「この神殿の地下にあるユグちゃんの本体に一度顔を見せてあげてもらえるかな~。それが終わったら少しだけベルルと遊んであげてくれたらアウラ嬉しいな~。御主人様がきてからず~と我慢させてるから」


「ユグちゃんって人型なのか? それにベルルに我慢させてるってどういうことだ?」


「ユグちゃんは御主人様が創った電脳マシンだよ~。見た目は説明難しいので直接確認してね~。なんか用があるからどうしても御主人様に直接会いたいんだって~。私たちが持ってるユグちゃんの鍵を差し込むところの台座にのってる水晶に触れてほしいみたいだよ~。後、ベルルは抑制してないと興奮しすぎてちょっとね~。私たちも千年待ったんだから気持ちはベルルと一緒~。だから少しだけ遊んでくれたら嬉しいな~」


 興奮しすぎてちょっとって……分かってしまった。うれションだな。間違いない……。



「よし、じゃあまず地下からだな? 先に服クレ!」


 そういいながらシーツを腰に巻きつけベッドから出て立ち上がった。

 あれ? なんかおかしい? ベッドから降りたときの感覚に違和感があったのだ……ほんの少しなのだが。


「どうされましたか? あ~違和感ですか? 元の体より10cm程身長が低いのです。『ユグドラシル』内では17歳ぐらいだったようですが、今のそのお体は15歳の年齢です。今の身長は160cm、体重は50kg、細マッチョです。ふふふ……完璧です!」


 なんかまた鼻息が荒くなってきてるぞ? 完璧ってなんだよ……。


「あるじさま、あるじさま! その体はベルルが作ったんだよ! いろいろと特別製だよ! もう人間辞めちゃってるレベルで凄いよ! 骨格とかとくに頑張った。古竜骨を削って錬金術でブラックメタルと融合させたの。凄く丈夫だよ。あと皮膚とかも耐火・耐冷・耐雷・耐腐・耐毒・耐麻痺・耐石化・回復力強化・物理強化の加護が付いているから、女神の加護と自分自身の加護の相乗効果でもう無敵だよ。あと目とかも凄いよ。アウラちゃんの細胞から培養して得たヴァンパイア仕様の目を入れたから夜間もばっちり見えるよ。紫外線や赤外線も集中したら見えるらしいので試してみてね」


 やっと喋ったと思ったら尻尾をぶんぶん振りながら一気に捲し立てた。


「そうか、ありがとなベルル……なんか凄そうだな。大事に使うからな」


 結局俺は服は貰えず、アウラに誘導され地下まで行った。

 地上へ転移させる際に服は脱がないとダメらしい……だから最初から服は着せてなかったそうだ、うん納得。


 ユグドラシルの置かれている場所は予想以上に広かった。東京ドーム4個分はあるだろう広大な場所の中央に、ユグちゃんの制御盤が置かれている。その周辺のみ20畳ほどの空間が空いており魔方陣のようなものが地面に浮き出ていた。どうやらこの魔方陣を使って地上界に俺を転移させるようだ。


 ここ以外は2m程の正方形の箱が広大な敷地を等間隔に埋め尽くしていた。

 あれの一つ一つに膨大なデータが詰まっている筈だ。


 アウラの指示で、ユグちゃんことユグドラシルの水晶に触れたのだが、一瞬だけクラッとしたがなんだったんだろうか? アウラもよく分からないらしい。ユグちゃんの説明もなく、何の意味があったのか分からないままユグちゃんの用事は終えた。



 俺は約束どおりベルルたちとたっぷり遊んだ。

 その後、いよいよ地上へ降りるために、転移用魔方陣のある場所に再度俺たちは向かった。


 女神たちが何をさせたくて俺を呼んだのか、ただ安全確保のためだけにこっちに呼んだのか、色々謎もあるが悪意は全く感じない。


 どういう原理なのか理解できないが、ここは間違いなく俺の厨二設定が生み出した世界に間違いない。

 なら多少は付き合ってやらないとね。



 俺はこの世界の神になったらしいし。


 未知なる異世界に思いをはぜ、若干興奮気味に魔法陣に入った俺は、シーツをベルルに放り投げ、全裸で最高のキメポーズをとり、アウラにGOの合図を送ったのだった。

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