第1361話 ちゃんとチェックしてくれ
何ヶ月か前にですね、このエッセイでもちらっと書いたんですけども、私、万引き犯を捕まえたんですね。私が捕まえたっていうか、私が目撃したことでお縄になったって感じなんですけど。
それによって、職場でマークされている疑わしい(というかほぼほぼクロ)方は残すところ2名。シルバーカーを押して来店し、リポD(仮)を持って行く『リポDおばさん(仮)』と、なかなかの大きさのシクラメンの鉢(仮)を抱きかかえて退店された『シクラメンマダム(仮)』です。
が、これがですね、『ビッグバッグおじさん(仮)』が捕まって一ヶ月後くらいですかね、『リポDおばさん(仮)』も捕まったんですよ。目撃したのは私ではないんですけど。むしろ私がお休みの日でしたから。先輩が、「あの人も捕まえたわよ!」って興奮気味に教えてくれました。検挙率が上がっております。
それでですよ。
その『リポDおばさん(仮)』の方もですね、余罪がごろごろあるタイプらしく、盗ったところを目撃したレジさんは、その時の状況を詳しく説明せねばらならんということで、事務室に拘束されたとのこと。
レジさん「宇部さんの時もこうだった?」
宇部「私の時は後日来ました」
レジさん「だったよね? 私、その日のうちに報告書? とか作るとか言い出して、1時間以上拘束されたんだけど」
宇部「マジすか。私は店内をぐるぐる歩いて、どこで見たとか、ここで盗ったとかの説明だけでした。その報告書? みたいなやつは作成して持って来ますって言われましたよ?」
レジさん「それがなんでかここで書いてったのよ! しかも、いきなり『シャチハタじゃない判子ありますか』って言われて! ないって言ったら拇印だよ、拇印!」
宇部「うわぁ……大変でしたね」
レジさん「フツー、判子なんて持ち歩かないでしょ! ねぇ!?」
宇部「で、ですよねぇ(実は常に持ち歩いてるなんて言えない)」
これ、旦那とも意見が一致してるやつなんですけど、シャチハタ以外の判子って常に持ち歩かないやつなんですかね。私、常に持ち歩く派なんですよ。通帳は家にあるけど。旦那が外回りをしていた時、それじゃここに判子を――って段階になって「あっ、判子は職場にあります」ってことがかなりあったらしく。職場の判子といえば私も旦那もシャチハタだったので、偉いびっくりしたんですよね。
まぁ、そんな話は置いといて。
いよいよですね、その報告書的なものを警察が持って来たんですよ。『リポDおばさん(仮)』の時は即日だったのに、私の『ビッグバッグおじさん(仮)』は2ケ月かかってるんですよ。どういうことなのかしら。よくわかりませんけど。
それでですよ。
私はですね、その実況見分っていうんですかね、警察の方に「ここで目撃して、あっちに移動して~」なんて説明しながらお写真撮られまくった時に、「後から書類を作って持って来ます。ちょっと記入してもらう部分もありますが、判子もらったりして終わりです」みたいなことを聞いていたので、「判子なら常に持ち歩いてるし、すぐ終わるな」って思ってたんですよ。
なので、休憩30分前に「宇部さん事務室までお願いします」なんて呼ばれた時も、ほんと軽い気持ちでね、はいはーい、なんて感じで事務室に向かったわけですよ。そしたら。
警察「それではまず、店内の見取り図から描いていただくんですが」
宇部「!!?(見取り図? このクソ広い店内の?!)」
警察「私が予め描いたものがありますので、こちらをまるまる書き写していただければ大丈夫ですから」
宇部「あ、あぁ、成る程……それなら……(それにしたって大変な作業ですぞ)」
警察「それでですね、その下に、この文章を書いてください(どの位置で最初に発見して、どの位置で張り込んで、どの位置で決定的瞬間を目撃したかなど)」
宇部「わかりました……(これもまた相当な量じゃねぇか)」
とりあえず、相手は国家権力ですから。大人しくヘイヘイとやりましたとも。判子もポンポンと押してね。休憩時間に若干食い込んだりしてね。
で、終わったー、って思ったら、その後店長に呼ばれて。
店長「宇部さん、警察の方から電話が来て、さっきの書類ちょっと間違えちゃったので明日また来ますって」
宇部「明日も?!」
てっきり私が誤字ったのかと思ったらですね、そもそも作成した書類の方に不備があってですね。不備というか、ちょっとこの言い回しはな、みたいな。これだと裁判所に出した時にわかりにくいかも? みたいな。そういうのがあるんだなー、って勉強になりましたね。こういうのってほら、創作する上で知っておいて損はないから。どう考えても私の作品には出て来ないやつだけど。
ただアレですね、2ケ月かけて作ったんなら、その辺のところはもっとじっくりチェックしてほしかったな、って。
あっ、やべっ、今日ポッキーの日じゃん。なのに全然関係ない話書いちゃったじゃん。
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