第1330話 そう来たか

 こないだね、百均に行ったんですよ。ほら、来年のカレンダーとか買わないといけないから。スケジュール帳もね。まぁ、スケジュールなんて特にないというか、毎日計ってる体重、体脂肪、筋肉量を書いてるだけなんですけどね。

 書いた方がね、続けられるんですよ。数字にとらわれない方が良い、っていう考え方もあるみたいなんですけどね、数字で一喜一憂するよりも見た目の変化を気にした方が良い的な。だけど、私の場合は、スケジュール帳に毎日数字が並んでいると、「ここまで続けたんだから、これからも頑張ろう」みたいな気持ちになるんですよね。スタンプカードみたいな。


 というわけで、百均でね、三ヶ月一気に見られるカレンダーと、小さめのスケジュール帳を買ったわけです。子ども達は百均に行くと必ずといって良いほど『バスボール』を買います。中に小さなおもちゃが入っている入浴剤です。


 今回も例に漏れず、それぞれ一つずつバスボールを買いました。中に小さなおもちゃの入ってるボール型の入浴剤です。


 息子は、『伝説の武器』、娘は『おとまりインコ』。

 やはり息子も男の子、武器に興味を示しました。しかも『伝説』の! これは中二心をくすぐるワード! パッケージを見ていない私は、一体どんな伝説の武器が封じ込められているバスボールなのか興味津々です。



~風呂場にて~

※その日は息子のバスボールでした


宇部「その息子君のバスボールさ、伝説の武器ってことは、まず間違いなくエクスカリバーは入ってるよね」

旦那「エクスカリバーは外せないな」

宇部「あとは何だろ、伝説の武器といえば……?」

旦那「ミョルニルとか」

宇部「はいはい、北欧のやつね」

旦那「あとはほら、グングニル」

宇部「さっすが、どんどん出るじゃん。やっぱり北欧は強いね。あとほら、日本のやつだと草薙剣とか」

旦那「ああはいはい。期待が高まるね。それで? 息子君、そのバスボールはどういうのが入ってるんだい?」


息子「あのね、ロングソードとー、グレートソードとー、ビッグソードとー、あとはシークレット!」


 そ う 来 た か !


 こいつぁとんだ伝説の武器だぜ! そうだよな、これ百均だもんな!


 それでですね、それじゃあ何が出たかな、って気になるのはそこじゃないですか。どのソードが入ってたのかなって。


 斧出て来たから。

 どうやらそれがシークレットだったらしくて。

 さんざんナントカソードって並べておいて、出てきたのが斧! シークレットなのは良いんだけど、何この最高のオチ!


 そんで娘の方なんですけど、『おとまりインコ』ね。これは『お泊まり』ではないです。コップとかに引っ掛けられるのかな、そういう意味での『おとまり』のようです。これも全4種類なんですよ。


娘「あのねー、わたしの『おとまりインコ』もねー。4種類なのー」

宇部「そうなんだ。どんなのが入ってるの?」

娘「まずはね、ブルーのインコでしょー、それからグリーンのインコでしょー、それからピンクのインコ、あとシークレット!」

宇部「へぇー、そうなんだ。娘ちゃんは何色が良いなって思う?」

娘「わたしはねー、ブルーがいい! 一番可愛いから!」

宇部「成る程ねぇ。出ると良いねぇ。シークレットは何色だろうね」

娘「わたしはねー、虹色だと思う!」

宇部「虹色かぁ、いいね、カラフルで」


旦那「え? ハヤブサでしょ?」


 ???!?!?


宇部「は? ハヤブサ? インコじゃなくて?」


 完全にね、旦那何言ってんだいきなりって思いましたよ。これインコのバスボールだろ、って。シークレットでコンセプトをぶち壊してんじゃないよ!


旦那「だってさ、袋に、ヒント『ハ○○サ』って書いてたよ」

宇部「何そのヒント!」

旦那「もう絶対『ハヤブサ』しかないじゃん、こんなヒント」

宇部「『ハヤブサ』か……『ハヤブサ』しかないよな……。どう考えてもインコじゃねぇな」


 そんでその次の日、ワクワクしながらインコのバスボールを投入しました。このエッセイのオチ的にはここでもシークレットのハヤブサが出て来て、


「やっぱりハヤブサなんかい!」


 っていうのが最高だったんですけど、グリーンが出てきましたね。


 娘が欲しがったブルーでもなく、インコのバスボールだっつってんだろ、っていうシークレットのハヤブサでもなく、グリーン。


 まぁそれはそれで最高のオチだったな、って。


 待って、それとももしかして『ハ○○サ』って種類のインコがいる可能性も?!

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