第992話 筋金入り

 宇部家は日曜と祝日は私以外が全員お休みです。

 祝日が私の曜日休と被ってくれれば全員休みになるのですが、そうじゃない時は、家族に見送られて家を出、そして大抵の場合、家族みんなでお迎えに来てくれます。それはそれでちょっと嬉しい。


 それでですね、私の仕事終わりにそのまま車を飛ばして、ちょっと離れたところにある西松屋さん(子ども服屋さん)とか百均とかに寄ったりすることがあるんですね。


 西松屋さんと百均ったら、アレよ。もう何時間でもいられる空間ですから。特に西松屋さんね、子ども服ってなんであんなに可愛いんでしょうね。プリントなんか、ウサギさんやらくまさんやら恐竜やら車やら、自分だったら絶対に着ないやつなんですけど、これが、いざ我が子が着るって脳内コーディネートするともう!


 買おう!

 買っとこう!

 この過剰に裾がフリフリしたやつも買っとこう!

 去年似たようなやつ買ってるけど、去年とは違うヒーローだから買っとこう!


 もうね、西松屋さん行く時は諭吉を装備するから。諭吉の剣を装備するから。そんで相討ちになって帰るから。諭吉ぽっきり折れるから。それほんとに相討ち?


 それでですよ。

 ついつい長居しちゃうと面倒になるのかご飯仕度です。

 余談ですけど、私どうしても『支度したく』って『仕度したく』って書きたいんですよね。調べてみたら『仕度』の方が後から出来たやつで、しかも当て字らしいんですよ。だから本当は『支度』みたいです。でも何でか『仕度』の方が好き。小説では『支度』にした方が良いんでしょうね。どっちを使っても良いっぽいんですけど。


 それで、『支度/仕度』で思い出した余談その2なんですけど、私、『格好』は絶対に『恰好』派です。こっちの方が好き。もうマジで余談ですけど。


 というわけで本題に戻りますが、そう、ご飯仕度がめんどいってことでね、もう今日はお惣菜とかいっそお弁当とか買っちゃおうぜ! おう子ども達、何が食べたい? ただしハッピーセット以外でな! って言ったらですね。


娘「おうどん!」


 可愛いですね。大変可愛らしいです。うどんじゃなくて「おうどん」と言うところに育ちの良さを感じますね。お姑さんありがとうございます。


 そんなのもうあれですから。銀色のカップに入った鍋焼きうどん買っちゃいますから。楽をしたいんだ今日は。包丁を握りたくねぇんだよ!


 さぁ、息子は何だ?! 焼き鳥か!?(焼き鳥大好き)


息子「無限ピーマン」


 !?


宇部「う、うん? 何だって?」

息子「ぼく、無限ピーマン食べたい」

宇部「ママ作ったやつ?」

息子「うん」

宇部「息子君、ママの無限ピーマン好きなの?」

息子「うん!」


 優勝。

 百点。

 ママを喜ばせる天才かお前。

 そんなのもう作るっきゃねぇじゃん。


 ピーマンの千切りとかクッソ面倒くせぇけど、やったろうじゃん。


 そんじょそこらの野菜の千切りと比べてピーマンの千切りってあれ何であんなに難易度高いのよ。ピーマンの表面つるつるしすぎなんだよちくしょうが! でもやってやらぁ! どこかで誰かが男のケツを描く時はピーマンを参考にしろ、みたいなこと言ってたけど本当かな。旦那も息子も全然ピーマン要素ねぇんだが? あっ、また宇部さんたらケツの話を!


 そんで結局焼き鳥も買ったんですけど、彼はほんともう美味そうにピーマン食べてましたね。マジでこの子ピーマン好きなんだな。どういうことだよ。


 その反動(?)で、いま書いてる新作の登場人物、ピーマン大嫌いな設定にしたわ。それを乗り越える物語にしたわ。いや、それは言い過ぎだけど。


 

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