第890話 何から守ってるんだろう

 定期的に思うことがあるんですよね。


 毛について、なんですけど。

 違いますよ、髪の毛じゃなくて。身体の毛の方。


 こいつ、何の為に生えてるんだろうって。


 何か私が聞いたことがあるのは、とにかく『守ってる』みたいなやつなんですよ。


 例えば眉毛は汗が(汗に限らないかもしれないけど)目に入らないようにだとか、まつ毛は目にホコリが入らないようにだとか(抜けたまつ毛が入るのについて、まつ毛側はどう思ってるんだろう)、鼻毛もホコリとか花粉とかそういうのから守ってる、みたいなのを聞くわけですよ。


 上記の毛達は確かにすごく活躍してるなぁって思うわけですね。ただまぁ、眉毛とまつ毛に関しては一旦全部なくなってみないと真偽の程はわからないような気がするんですが。

 それに鼻毛についてもですよ、私そんなに鼻毛生えてないんですよね。空気が汚れたところ(?)で生活すると伸びる、って聞いた気がするんですけど、ヘビースモーカーの父親がいる実家で暮らしていた時も別に伸びませんでしたが。


 まぁそれは良いです。とにかくなんか活躍してるっぽいから良いんです。


 問題は足の毛ですよ。

 お前、何から守ってんの、って。


 というのもですよ。

 数日前にも書きましたけど、いま私、足を虫に刺されまくってるんですよ。


 自慢じゃないけど私ね、すね毛がほんとにすごいんですよ。ほんとに自慢じゃなかった。昔っからなかなか立派でしてね、そんでまた肌が白いものですから目立つ目立つ。基本的には長ズボンなんですけど、学生の頃はね、スカートじゃないですか。冬場は黒タイツでどうにか出来るといってもね、夏場はそうもいかないわけで。


 そりゃあ剃りますわ。

 それば濃くなるとかそんな話も聞きますけども、だからって放置なんか出来ないわけですよ。こちとら花も恥らう乙女でござい。


 っていうのを繰り返して繰り返して現在に至るわけです。いまはもうオールシーズンほぼほぼ長ズボンですけど、夏場は足首くらいはね、出します。寝間着はハーフパンツですし。


 職場の先輩の話では、年をとるとだんだんすね毛も生えなくなってくるとのことでしたが、身体のありとあらゆるところが加齢によって衰えていく中、すね毛についてはいまだ現役なわけですよね。まだまだ守る気でいるわけです。


 いや、刺されてっから。

 全然守れてねぇからな?

 お前何してたの。

 こんなに群生しといて、何みすみす蚊の野郎を遊ばせてんの。

 ドリンクバー状態だぞ。

 飲み放題になってんぞって。

 

 ――え? 蚊取り線香やらアースノーマットやらを設置しないこちらにも非がある?


 いやいや、あなたね。

 こんな立派な天然要塞があると思ったらそりゃあ油断もしますわ。何の為に生えてんのよあんた達。

 

 もうね、守れないなら抜けてくれよって。いままで「あー、すね毛がもさもさ生えてて命拾いしたー」みたいなこと一回もなかったからね? ていうか君達ね、女性誌辺りでは『無駄毛』って呼ばれてるからな? 処理対象だからな? 


 いやでもまじですね毛って、「あー、もさもさ生えてて良かったー」ってことあるのかしら。それとも何か別の方面で役に立ってるのかしら。

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