第658話 危険番組

 時の流れは残酷なものです。何か年々早くなってるような気がして、ほんとに1日って24時間なのかしら、私の回りだけ18時間くらいだったりしない? って毎日思ってます。


 おっかしいなぁ、これのストック、3日前までは3話あったのに。ストックがあるからって油断して遊んでるとこんなことになるんだぜ、キッズ達。いや遊んでたわけじゃないですけど。


 明日はきっと何かネタが提供されるはず、なんてのんびり構えてるのがいけないんですね。わかってるんですけど。そんなこんなで現在、結構焦りながらこれを書いてるわけなんですけど、こんな時に頼りになるのはやはり子ども達。旦那とのやりとりもまぁあるにはあるんですけど、内容がたぶんR18なので。


 Eテレでですね、『ミミクリーズ』という大変危険な番組があるんですよ。何がどう恐ろしいって、やたらと虫が出て来るんです。しかも結構なアップで。もうどんなホラー番組より恐ろしいです、私にとっては。


 調べてみたところ、この番組は、


『自然界の似ているものを観察し比較することで知的好奇心を喚起し、観察眼・想像力・科学的思考を育む。 番組タイトルであるミミクリー(mimicry)は「似ているもの」という意味がある。※Wikipediaより』


 というものらしくてですね、自然界の~って部分にやたらと虫関係が食い込んでくるわけです。我が子達の知的好奇心を喚起しまくってくれてですね、もう夢中で見ているんですけど、大の虫嫌いのママとしましては、その時間は一切テレビの方を向けないという。これに比べたらジェイソンさんの大量虐殺シーンの方が全然癒し映像だわ。虫の脱皮シーンとか画面いっぱいに映してんじゃねぇぞNHK! まぁ、なかなか見られるものではないんでしょうし、貴重映像なんでしょうけど。


 そんな『※残酷描写有り』な番組を見ていたウチのエンジェル達のハイパーエンジェルエピソードで心の均衡を保ちたいと思います。


 その番組はですね、何も虫のドアップというグロ映像(私にとっては)ばかりではなくて、これちょっと私の筆力で表現するの厳しいんですけど、例えばヤギを一頭画面の中央に置いて、それをリモコンで操作(テレビの中の人が)して、ある特定の部分を大きくしたり小さくしたりする、みたいなコーナーがあるのです。角がびょーんって伸びたり、ちぢんだりする、みたいな。伝わってます? とにかくそういうコーナーがあるんですけど、ウチの子達、それを怖がるんですね。まぁ怖がるふりみたいな感じなんですけど。キャー、って叫んで顔を隠すみたいな。最高に可愛い。


 基本的に兄は床に座ってお絵描きしながらテレビを見て、その後ろのソファにででーんと妹が座っている(たまに兄の頭を蹴って私に叱られる)、というのがデフォなんですけど、先日は珍しく兄もソファに座っていたんですね。それだけで宇部家的には後世にも残したいほどの貴重映像。私はその後ろのダイニングテーブルでスマホをぽちぽち(カクヨム)してたんですが、ふと顔を上げると、ソファの背もたれから小さな頭が並んでるのが見えてですね、もうそれだけでちょっとキュンキュンしてたわけです。


 そしたらですよ。例のそのコーナーが始まったわけです。もうそのコーナーは『キャーって言いながら派手に怖がる』のがお約束なものですから、まぁまたきゃあきゃあ騒ぐんだろうな、って思ってたんですけど――、


 息子がね。

 つまり、お兄ちゃんがですね、キャーって騒ぐ妹を横からぎゅって抱きしめたんですよ。そんで、妹もですね、それを嫌がったりしないわけですね。途中から「キャー、にいにー!」でしたからね。


 あれ、ここがシャングリラ? って思いましたよね。

 何この尊さギガ盛り定食。キャー、にいにー、じゃねぇよ。ママの心臓がもたねぇっつってんだろ(言ってない)。


 もうね、ちょうどスマホ持ってて良かったな、って。ソッコーでカメラに切り替えて狂ったようにシャッター押しましたわ。そんで目の前にいる旦那にLINEしましたわ。


 良いかお前達、ママはそういうのを動力にして創作活動をしているといっても過言じゃないんだからな。さすがにそのまま使ったりはしないし、ガチの兄×妹展開は書かないけど、いずれこれっぽいの書いちゃうかもしれないんだからな。だからこれからもどうぞよろしくお願いします。


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