第562話 全部ファンタジーじゃん?

 いまですね、現代ドラマをぽつぽつと連載しておりまして。いや、もうすぐ終わるんですけど(第3章が)。


 これに限らず現代ドラマを書いてて思うのがですね、


「いやもうこれファンタジーだろ」


 というやつなんですよね。


 そもそも登場人物が軒並み美男美女っていう時点で怪しいわけですよ。昔々その昔、時のお殿様が美女ばかりを自分の領地に連れ帰ったため、その土地には美女が多くて――みたいな話はいわゆる『美人が多い県』にはつきものですけども、男もですよ? そのお殿様、どんな国にするつもりだったの? やはり侍たるもの衆道の方にも明るくないと……みたいなアレ?


 とまぁその辺はちょっとぼかしておきますけども、何かしらの血なまぐさい歴史の一つや二つがあるところなのかな、ってついつい邪推してしまうわけですよ、私みたいなひねくれ者は。

 

 まぁ、私のその現代ドラマは美男美女が一切出てこないという、その部分においてはかなりリアルを追求した作品に仕上がっているのですが(ただし、美猫はいる)。ただ、規格外の金持ちはいるのです。何か回を重ねるごとにその金持ちっぷりがおかしなことになっていて、一体どのレベルの金持ちなのかと我ながら首を傾げております。


 だからね、その辺もなんですよ。

 私の大好きな漫画に『有閑倶楽部』という、スーパーお金持ちのお嬢ちゃんお坊ちゃんが出てくる(というかそういう学校に通ってる)作品があるんですが、これがまぁ、魔法がどうとかそういう話でありませんし、舞台も日本ですし、近未来とかでもないので(何なら連載当時はソビエト連邦だったりしたし)、まぁファンタジーやSFではないと思いますし、恋愛がらみの回もあるにはあるんですけど、それがメインではないので、このカクヨムでいうと『現代ドラマ』に該当するのかな、と思うわけですね。


 でも、その金持ちっぷりがもうおかしすぎるわけですよ。そりゃあさすがに盛り過ぎでしょうよ、って思うわけです。でもその突き抜けっぷりがまた良いのです。

 

 そんで、それを言うとですよ、こち亀だってあれファンタジーというジャンルではないと思うんですけど、あそこの金持ちもとんでもないですし、キャラもぶっ飛んでるじゃないですか。だからギャグとかコメディについてはもうほぼほぼファンタジーなわけですよ。ギャグやコメディなんだから仕方がない。そんな気持ちで私も上記の現代ドラマを書いていたのですが、先日、休憩室でいま話題の倍返しドラマを見ていたらですね、上司が言うわけです。


「俺の知り合いに結構な大手の銀行マンがいるけど、こんなやつはいないって言ってた」


 そりゃあそうでしょうよ。多少誇張してるでしょ、と思ったわけですが、この『多少の誇張』部分もある意味ファンタジーなんですよね。


 もちろんですね、あるかもしれませんよ? こういう会社というか組織。あのドラマ、どなたかが指摘(ネットニュースだったかな?)してましたけど、主役の半沢さんがやってることは犯罪スレスレというか、普通に犯罪だったりするようなんですが、それでも見てる側は「半沢頑張れ!」「スカッとした!」となるわけじゃないですか。それが犯罪かどうかをわかってるのかわかってないのかは知りませんけど、娯楽作品として楽しんでるわけですよ。少なくとも、「いや、こんなに『土下座ぁぁぁ!!』って怒鳴り散らす会社もないだろうし、あれだけの台詞を噛まずに言える社員もいねぇよ」くらいは思ってると思うんですよ。それでも、「いや、これドラマだから」ってわかってるはずなんですよ、皆さん。



 なので、これからも私の現代ドラマ(例のカフェ小説に限らず)には、「そんなキャラいねぇよ!」ってキャラを出すつもりです。

 

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