第27話 お題:ガムとおじいちゃん

 私ね、出来るだけ人と摩擦を起こしたくないんですよ。ギスギスしたくない。誰だってそうでしょうけど。誰彼かまわず噛みつくとか、全方向に敵を作るとか、たまにそういう人を見かけますけど、どうしてなんだろうか。


 あと、怒ってる人にももちろん近付きたくない。だけど仕事をしてれば、明らかにぴりぴりしてるなぁって人とも話をしなくちゃいけない時もあるじゃないですか。


 むむむ、何だか真面目な語り出しだぞ。これ大丈夫??


 大丈夫ですよ皆さん。タイトル見て見て。

 ね、いずれガムとおじいちゃんの話になりますから。あと20秒くらいかな?


 20、19、18……ってカウントダウン止めて!! あああ焦るから!! てっ、手元が! 狂う!! フリック入力には致命的!!


 さて、そんな話とガムじいさん(『トム&○ェリー』っぽい発音で)がどう関わってくるか、ってことなんですけど。


 あれは私が販売のバイトをしていた時のことです。


 ガム&おじいちゃんという組み合わせは結構多いのです。違いますよ、詰まらせて救急車エンドとかの危険なオチじゃないです。危険なのはお餅です。

 そうじゃなくて、要は、ガムをクッチャクッチャしながら商品について問い合わせてくる、というやつです。

 月に一件とかでもなかなかイラッとする事案です。だけど店員としてはどんなお客様でもにっこり対応しなくてはなりません。


 しかし! あぁ、私よりも導火線の短い大先輩(美人)が!! ヤバい! その手にはチャッカマンが!! ちゃっ、着火したぁぁぁぁ!!


 しかし大先輩(すげぇ美人)もそこは接客のプロ。

 血管を浮き上がらせつつもどうにかガムじいさんお客様お望みの売り場を案内し(追い払ったともいう)、再び定位置へと戻りました。そして私をちらりと見て言うわけです。


「失礼すぎない? ガムクッチャクッチャしながら!! 人に!! もの!! 聞くとか!! さぁ!!」と。


 あああああああああ!!!

 怒ってる!

 これは怒ってる!!


 しかし業務は始まったばかり! 

 どうにかしてこの後も穏やかに仕事がしたい!

 考えろ、考えるんだ宇部。

 どうにかこれを笑いに変えるんだ!

 

 お題は、そう、ガムとおじいちゃん!

 大喜利だよ、(脳内にいる宇部達)全員集合!! 


 はいっ! はいっ!


 はいそこの宇部A! 一番早かったよ! そういう積極的なの先生嫌いじゃないです!


宇部A「このおじいちゃんは、元メジャーリーガーでして」


 ほうほう。良いね。


宇部A「かつての栄光が忘れられず、いまもガムを噛んでいるのです」


 良いね! 金(メッキの)メダルあげちゃう!


 はいっ! はぁいっ!!


 おおっと負けじと宇部B! 良いね、いまの「はぁいっ!」、良かったよ。


宇部B「あのガムは、おじいちゃんのゼンマイです」


 うん? つまりどういうこと?


宇部B「つまり、あのおじいちゃんは、ガムを噛むことによって動くことが出来るからくり人形なのです」


 成る程成る程。つまりガムは動力。あのおじいちゃんがガムを噛むのを止めてしまうと、動きも止まってしまう、と。


 オッケー、こっちの宇部さんにも金(色の紙で包まれた)メダル(チョコ)あげちゃおう! 太っ腹だからね、宇部さんは!! 


 その他、宇部Cからは、「あのガムを噛む動きが心臓のポンプの役割を果たしている」というややBと被る解答に、Dの「孫との約束~おじいちゃんがガムを頑張るなら僕もピーマン頑張る~」というハートフルなもの、Eの「むしろガムが本体」という多少無理がある解答が飛び出したところでお時間です(とっとと業務に戻れ)。


 さぁそんなわけで、宇部(失)笑点お開き! またお会いしましょう!(あるのかな?)


 え? 先輩ですか? 

 めっちゃ笑ってくれましたとも。


 ミッション・コンプリート!!


 まぁ、そんなこんなでイラッとすることも無理やり笑いに変えている宇部なのでした。たまに無理があるなーとは思いますけど。


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