第342話何事も言ってみるもんだ
さてさて一応ドワーフの情報を聞いたが、酒が好き、鍛冶が上手い。絶技を持つ者を敬う傾向にある。
見た目だが男女で違うそうな、女は人と大差ないが一定の年齢からあまり見た目がかわらない、男は逆に子供の時は小さいが、成長と共に樽のような体形の筋肉質になるそうだ。
鍛えるとか関係なく筋肉質とか少し羨ましいまである。女性の方は一部前の世界の人間には絶大な需要がありそうだ、合法だもの。男は武器や大きな物が得意で、女は金属細工や刃を研ぐ作業が非常にうまいらしい、ドワーフ製の剣を見せて貰ったが、この世界の見た物で機能的で繊細な物なのは良くわかる。
まぁ刀みたいな変態思考では作られてないのにほっとした。
後は見て判断するしかない。
行く前に準備する物がある。俺は商人として国へ入る。酒は勿論ドワーフ達の興味を引く物が必要だ。武器等は却下。俺が成すべき事の真逆の行いだ、ならば水車等の機構・・・いやダメだ、それも同じ事に繫がる。
いっそオーパーツを出すか、アレなら無害だろう。
防刃手袋。化学繊維の代物だ、そうと決まれば仕入れに向かうとしようか。
まずは楽園へ帰る必要がある。あそこには簡易な酒蔵もどきもある、その前に楽園への食料も必要だな。
(アキラ聞こえるか?)
(久しぶりですねダイスさん。買い付けは言いつけ通り、後は本当に遊び人してますよ)
(問題はないか?)
(無いですよ、先にスロートさんとミルさんを紹介してくれたから周辺の人たちも自然に受け入れてくれています。人気の酒場のオーナーのお墨付きは伊達じゃないですよ)
順調なようだ良かった。
(そいつは良かった。今は家か?)
(そうですが?)
(今からそっちに行くが問題ないか?)
(食料の回収ですね。問題ないです)
ーーーー
転移符を起動して拠点へ向かうと御丁寧にアキラが待っていた。
「こうして顔を合わせるのは久しぶりだな」
「そうですね、なにをしてたんですか?少しばかり放任すぎると思いますよ?」
アキラは少し困った顔で俺に訴える。確かに顔合わせだけさせて金渡して放置だもんな。
「それは悪かった。だが、ルイも協力してくれただろ?」
「ええ、お陰で随分強くなりましたとも、鍛錬は地獄の様でしたが。あとギルドには私がダイスではないかと一時期張り付かれましたが、すぐに違うと判断されましたね」
疑われて当然か。
「何故違うと判断された?」
「ギルド総長とガウェインさんがいらっしゃって1時間程世間話したのですが、そこで見極めたのでしょう」
別人だしな、当然の結果だ。
「あとは何かないか?」
「後は買い付けしてフラフラしてるだけですよ。それより褒美を所望します」
ドヤ顔である。これが可愛い女の子であれば許すが、イケメンだ。少しイラッとした。
「金ならいくらでも渡すが?」
「浪費家ではないのでまだまだ余ってますよ。それより一度楽園観光ツアーに連れてってください。ルイさんの自慢聞いて行きたくて行きたくて」
確かに見たい気持ちは分からんでもない。そもそも知られた時点で信じるか殺すしか無いのだ、連れて行くか。
「分かった。連れて行こう」
「本当?言ってみるもんですね。ルイさんは7割無理って言ってましたし」
「3割を引いたなおめでとう」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます