第228話起床
あの時の判断は最適解だと俺は思う。その前の行動は落第点も良いところだったがな。柄にも無くあせっていたのだ。ビビッていたとも言えよう。
教国は余りに大きく、そして広く根を伸ばしていた。宗教が勢力を伸ばすと言うのはそういう事だというのは知っていたが、あまりにも脅威だったのだ。忍び込んだ施設で今まで把握できただけでも。ある程度掌握した大陸が2つ。この大陸のようにかなりの力を持つ大陸が3つ。大陸に影響を与えるほどではないが、小国をじわじわ汚染している節もある。
そして焦った結果があの女だ。最後の感覚はうまくいったと思う。彼ならあの窮地はなんという事はないはずだ。彼は俺の戦闘の理想の形だ。
この暗闇の中での思考すら薄れてきた。本格的に俺は消えるのだろう。後は任せたぞアリアさん。
完全に意識が途切れた。次の瞬間、俺は見覚えのある部屋にいた。楽園の俺の部屋だ。
何故だ。辺りを見渡すと、机に手紙が置いてあった。俺は急ぎ、あけて読む。
この手紙を読んでいるという事は無事成功したと言う事だと思います。私はアリア、君が欠片から摂取してしまった毒。あるいは残滓のような物ですね。
君が何故こんな無茶をしたのかはある程度想像がつきます。しかし、それは魂を削る行為に等しいと言う事を覚えておいてください。私が万全を期しても成功率は9割。成功しても精神に異常を来す確率は1割弱。君が成功できたのは本当に運としか良い様が無い状況でした。二度とやらない事を強く推奨します。
最後に、君は精霊に寄り添う同志として。餞別を置いておきました。私の魔術師としての成果を書き記したものです。もし、その成果を極められれば面白い事になるでしょう。
凄い手紙なこった。他人行儀なのか親身なのか良く分からんが。本当にありがとう。
とりあえず自身の状況と周囲の経過時間なんかを把握するのが先決みたいだな。また忙しくなりそうだ。この前の轍を踏まぬ様に気をつけなければな。
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