第37話 宇宙神話

①ガンダムシリーズ、ゼノシリーズ、アメリカSFの名作、

最新物理学、地方伝説、ナショナリズム、人類宗教、中華思想などの抽象度を超えた未来の神話への手がかり。


これら断片に神話的要素が溶け合えば、未来の宇宙神話は成立する。故ジョゼフキャンベル氏が晩年の、ヴィシュヌのような微睡みの中で確信を抱いて夢想したもの。


やりすぎた近代による地球の荒れ地化(waste land)と再生のモチーフ。今や地球は開拓と冒険の地ではなく、郷愁のエデン、再生の錬金釜、聖杯、母なる子宮となる。


②やりすぎた近代と意識の相関。極大化した意識によると人権思想、意識外の有機物と無機物のトラクター的収奪。(奴隷の対象が底層人類から動物有機無機層へとスライドしたのみ)


意識とは区別、分化と比較対立の機能を持つ。人間間の相互外交に必須の機能。だが、二項対立機能の故、どうしようもなく排他と攻撃性、敵の必要性を本能的に持つ。スコラ哲学を見よ、偉大だが、それを極めたアクィナスは晩年、極めたが故に論理の剣を折ったのだ。


農耕集住による分化

都市による専門化

大都市による細分化

ネットによる100億個人化

この個人化が未来の「個性化」へと辿り着くのかどうか


③未だ人類意識は地球内にある。

国家、集団間でのほんのわずかなマウントと優位の取り合いに腐心。高度なボクシングの間合いの奪い合いのように。この内紛のエネルギーを外への推進力に向けられれば、微睡みの中の宇宙神話は、現実の行動、生活、痛みの中でかたちをとるだろう。


新たなる惑星の開発。キャンベル氏が言うように、建国と冒険のアメリカ神話は、ことによると重要な鍵となりえる。黒人とインディアンへの蹂躙と、近代の自然の壊滅的破壊から学べば、だが。

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