「勉」

「マジか……」

 結構自信があったテストが返ってきた。テストには46の文字。それなりに自信があったから、親にも高得点を期待しといていいと言ったのだが、これでは目も当てられない。

 かなりへこんでいるだと後ろから声がかかってくる。

「お前どうだった!?」

 咄嗟に答案を隠して、何気ない顔を意識して言った。

「別に普通だった」

「ふふふ……。俺はというとなじゃーん!」

 その答案には94の文字。約俺の二倍近くある点数だった。

 話し方が完全に頭悪いくせに……。

 嫉しさを込めた視線を向けた。



「ねぇ、テストど〜だった?」

「悪かった……」

 放課後、俺は彼女と帰路に着いていた。

「えへへ……。私もすっごい悪かった」

 彼女の手にある答案には32の文字。

「多分これより下ってことは無いだろうから、元気出して?一緒に今度勉強しようよ!」

 そう健気にいう彼女を見たら、テストなんてどうでもよくて、気付いたら抱きしめていた。

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