第40話 遡及(細胞分裂)

「 遡及(細胞分裂) 」


自分のことなんですか

何かを手に持って次の代にあげるんじゃなく

 自分の一部が知らないうちに成長している

 というか

自覚がなかったです

一部がいつのまにか成長しているそれは小さ

 く肉眼ではつかまえられない

成長している?

他人から教わってやっと知ったくらいで成長

 が始まったら止めることはできないという

 こと

そう仕向けているのはあなたでしょう自覚は

 ないのかも知れませんが休眠とかマイナス

 何十度なら眠らせられるとか

とにかく動きつづけているしかなく

慣性の法則ですか

違うけれど違わないところもある外部からち

 からをもらわないと止まらない点とか

毎日取り込んでいるでしょうちからは

それは止めるためのちからじゃなくて止めな

 いためのちからだろう

大変ですねずっとですからあなたも

今年はそんなことを考えながら美術館にいく

 美術館はそこにあるものすべてが死んでい

 る、目線を変えないで眺めることができる

 眺めていても何も変化しない、美術館から

 こちらを眺めはじめる

死から生を遡るんですか

時間に左右されず自由に眺めるには恐らく死

 の断面から眺めるしかないって誰かが言っ

 ていた、それも所詮他人から教わったこと

 なんだが

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