第29話 煙っている

「 煙っている 」


そういえば此処は煙っている

この煙は何?

苦しくない煙ってあっただろうか

蒸気なら蒸発してしまう

雲となって高くあがっていってしまう

此処の煙は流れない

向こうの壁面が

少しぼやけて見えるだけだ

煙っているってことを認識している

認識しているのは脳

重要なのは信号が途切れないこと

光りをあてることでしょう

すると煙に筋道ができる

筋道に沿って進んでいけばいい

色は何色だってかまわない

透明だって識別できるんだ

光りは真っ直ぐにしか進めない

曲がるには空間を曲げるしかない

どうやって曲げる?

ちからさ

とてつもなく大きなちから

それはとても大きな世界だから

あなたが何万世代も重なったくらい遠方に行

 かないとわからない

光りに沿って進む

真っ直ぐだっていいじゃない

あなたは光りごと曲がっていける

光りとともに進んでいける


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