第25話 洞穴(g)

「 洞穴(g) 」


落ちてしまうための洞穴?

なんて考えていると

忘れてしまった頃に

左足から踏み外し

そこに底は無かった

ふわっと吸い込まれ

あっというまに全身が洞穴にはまっていく

そしたらそのときは考えることができない

大きさは互いの質量の積だとしても

重力はかかり続けるから

摩擦があるからといって

そんなことは分からずに

ぐんぐんと加速する

洞穴のなかは真っ暗で

落ちていることも分からない

諦めはつく?のかどうか


分かることといったら

地球の核に近付いて熱くなること

気流で速度が落ちるとしても

本当は秒刻みの大変なことで

やがて体は溶けはじめる

体幹は陶然となっていく


だから

諦めはつく?のかどうか




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