第19話 アカ(red blood cell)
「 アカ(red blood cell) 」
生まれたときにもうあかかったから
これ以上あかくならなくてもよいと成長して
きたんだが
もちろん体格は倍々になっていて
あかの分量も増えていったのだろう
でももうあかは要らない
( あかも誕生したては澄んでいるが
使い回しは黒ずんでいる )
こんなにも大量のあかを循環させなければ
生命活動を維持できないなんて
それが脊椎動物の宿命だなんて
その限界を超えたところに親和性のある生命
なんていない
無理だね
寿命がもたない
O2は放射能の半減期を超えられない
O2を超えたらどんな世界がひろがっている
そこはもう錆びはなく
活性した物質に傷つけられることもない
あかい地層もない
攻撃も無い
それでも恒星一つが無くなるまでには充分な
長さそれでいいんじゃないか
あかに急かされて発展ばかり滅亡するよりは
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます