第19話 アカ(red blood cell)

「 アカ(red blood cell) 」


生まれたときにもうあかかったから

これ以上あかくならなくてもよいと成長して

 きたんだが

もちろん体格は倍々になっていて

あかの分量も増えていったのだろう

でももうあかは要らない

( あかも誕生したては澄んでいるが

  使い回しは黒ずんでいる )

こんなにも大量のあかを循環させなければ

生命活動を維持できないなんて

それが脊椎動物の宿命だなんて

その限界を超えたところに親和性のある生命

 なんていない

無理だね

寿命がもたない

O2は放射能の半減期を超えられない

O2を超えたらどんな世界がひろがっている

そこはもう錆びはなく

活性した物質に傷つけられることもない

あかい地層もない

攻撃も無い

それでも恒星一つが無くなるまでには充分な

 長さそれでいいんじゃないか

あかに急かされて発展ばかり滅亡するよりは


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