破壊と創造
それから私たちは神の先兵として、様々な世界に送られた。
世界に溶け込み、世界を理解したうえで、必要があれば、破壊し再生する。
それが私の、新たな女神としての役目だった。
それぞれの世界では、人の姿となって溶け込み、様子を見る。
その間は、こういった感じで、周囲の人間の心に作用し、世界の人間が害悪でないか探る。
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他にもそれぞれの司る欲望に準ずる独自の能力はあるのだが、私の能力は、老若男女問わず人気がなく、とくに若い女性には受け入れられたためしがない。
いや、そうでもないか。
いつだったか、どこかの世界で、泣いていた女性が、「美味しいよ、ありがとう、こんちくしょう!」と呟きながら、たくさんケーキを食べていた。
心配になって、その一部を私の体に吸収してしまったが、余計なお世話だっただろうか?
しかし、私はあの時嬉しかったのだ。
このように世界の中で振る舞い、そしてある程度時代が経過したら、総括し、七人で再生するか否かについて多数決をとる。
否決された場合は、その世界を去り、可決された場合は、その世界を滅ぼす。
再生モードとなった私達はその世界の人間達と戦うことになる。
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私たちに、苦戦など無く、滅ぼせなかった世界、再生できなかった世界など、無い。
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そういう役目だ。
だから、私の中には、これまで私たちに滅ぼされた世界が、たくさんたくさん入っている。
もはや悲鳴をあげるものもなく、静かな、それでいて、寂しい、今は動かぬ屍となった人間たち。
それが、全て私の中にあるのだ。
だから私は変わってしまったのだろうか。
わからない――
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