56時間目。恋愛相談
「えっと…名前何だっけ?」
ななみが帰る準備中、古里さんに生徒の恋愛相談に乗るんで今日は帰りますけど良いですよね!!?と許可を取り(良いぞ!の即答だった)、頑張って作業してるミヨキチにエールを送り、ニンちゃんに涙を流しながら1日置いていくことを謝罪し
学校を出て、電車に乗り、山崎亮に確認したところウチ方面の電車なので、そのまま最寄り駅で降りて、居酒屋に入り、開口一番のななみの言葉である
ななみ曰く、俺と二人で居酒屋に行くと思っていたらしく、山崎亮という存在を何かついてくる帰り道同じなやつくらいにしか思っていなかったとのこと
ちなみにななみは本日制服+未成年なので、ホッピー(外)のみ。山崎亮はウーロン茶である
「山崎亮。だ。えっと自己紹介忘れてたっけか?わ…悪い」
君キャラ違くない?
「ヤマザキリョウ?…多分自己紹介された気が?する?うん、ごめん3回くらい会わないと名前と顔が一致しないんだよね。よろしくヤマザキ君」
もうちょっと頑張って名前と顔覚えろよ
「お…おう、よろしく。えっと原田…ちゃん?」
お前誰?
「んー、はいお疲れー」
飲み物が来たのでとりあえず乾杯
生ビールうま
「んで、何でいんのお兄?」
「恋愛相談」
「ほー!」
ななみの目が一瞬で煌めいた。お前も好物か
「へー、居酒屋って結構飯多いんだな。原田先生何か頼んでいいか?」
居酒屋が珍しいらしい
本当に初めて来たんだな。少し安心する。
「良いぞー、ただ一人で食いきれるくらいにしとけ」
俺は酒があればいいし、つまみがあればいい
ななみもそんな馬鹿食いするタイプではないし、山崎亮が加減してくれればこの激安居酒屋なら破綻しない
「そんで、麻倉舞と付き合いたいだっけか」
「あぁ!」
本題に戻る
麻倉舞はかなりレベルが高い。容姿もそうだが運動神経、学力など上から数えた方が早いレベルである。最近こいつ諸葛孔明の生まれ変わりかというレベルで軍師
将来ビッグな存在になりそうだ
対する山崎亮
容姿は悪くない。高校生ながらバスケやってるせいか身長も高く、ガタイも良い。馬鹿だがスポーツ推薦狙えるくらいだ
それなりに良い物件だ。釣り合うか釣り合わないかで考えると釣り合うことができる感じかな
「いや、原田先生ってすげえ仲良いじゃんか。それでちょっと秘訣とか。アドバイスとか貰えたりとか、サポートしてほしかったり」
仲良いか?麻倉舞は基本的にオープンな性格してるから誰でもあんな感じだと思うが
最近物理的に距離近いからあれだけど。あいつそろそろ本田ほたると同格にするぞ
「ちなみに山崎亮は今まで何人くらい付き合った?」
「…0」
なるほど理解
ホッピー(外)を飲んでるななみが手を挙げるので、眼で続きを促す
俺がしっかり第二ボタンまで留めてたが、熱いのか第二ボタンを外す
「お兄お兄」
「?」
話しかけてきたので、ななみを見るが続きは無い
「ヤマザキ君、ヤマザキ君」
「な、なんだ?」
そして山崎亮に話しかける
「とりあえず、最低限でいいんだけどさ。その異性と話すときにきょどるのと、目線合わさないとか胸見るの止めたら?」
再度第二ボタンを留めるななみ。そのためにやってたのか
ほーん
「え!いや!み…みてねえし!」
何故か俺見ながら否定する。殺意とか出してないよ?
ホッピー(外)を一気飲みしてテーブルに置くななみ
「いや、女子なめんな。大体視線わかるから。あっ生ビール一つお願いします。お兄は何でも目見て話すからそこは視線に敏感になる女子高生としてプラスポイント。更に言うけどきょどるのも止めた方がいいよ。普通にキモイ。あとは…」
ななみが暴力を振るっている…すまない山崎亮。俺には止められない
言葉の暴力ってきついよね
生ビールうま
「とりあえず、最低でも視線ときょどるのは直した方が良いよ」
ボッコボコである
山崎亮は机に突っ伏している。ボッコボコだ
「…男としか接してなかったんだ…女の子慣れてないんだ…なに話せばいいのかわかんないんだ…」
もう、ボッコボコである
再起できんのかこれ。一応アドバイスしておこう
「慣れてない理由に止まってたら成長しないぞ」
「それ。あと、アサクラちゃんみたいな子は同い年って恋愛対象になり辛いから、ガタイは良いんだし、大人な反応が出来るようになった方が良いと思うよ。絶対ヤマザキ君ボディタッチに過敏に反応するでしょ」
死体同然な山崎亮に、追い打ちが刺さりまくる
もうやめてあげて
「あとは、予想だけど愛されるより愛したいタイプだと思うから…」
中高女子校に通ってた女を知り尽くしているななみの分析は恐らく合ってるだろう…
「ちょっと好意を振りまいた時にそれを鵜呑みにして調子乗るとアウト。それで動じなくて悔しいって思わせたら勝ちだと思うよ」
ななみ先生…俺彼女出来ないんだけどどうすればできるかな?相談したいんだけど
そろそろ焼酎でも飲むか
「な…なるほど、すげえな原田ちゃん」
「あとそれキモイ。あっすいません。芋ロック一つください。お願いします。会話慣れてなさ過ぎて引く。一番正当な理由で名前呼び提案できるけど。苗字呼びしてる時点でわずかな可能性もなくなるよ。あとちゃんづけキモイ」
あー、ななみの言うことはわかる
少なくても俺とななみは兄妹で苗字が同じだから、それを理由に名前で呼んでいいか?っていう提案ができる
あと、苗字呼びは自ら距離を遠ざけてるからな
親近感としては
苗字<名前<=あだ名
だな。芋ロックうめえ
「え、と、じゃあ原田ちゃんは名前呼びで良いのか!?」
「いや、ごめんキモイ。無理。《苗字呼び捨てを希望》」
「…ごめん原田」
ななみ…手加減してあげて
もう死んでるから
っていうか、今ギアス使ったよな?絶対使ったよな?
「とりあえず今後の方針としては会話の回数増やす。遊びに行く(大人数)を増やす。大人反応を極めるで良いんじゃない?面白そうだから面倒じゃない範囲でサポートしてあげるよ」
「し…師匠」
親父、お袋へ、ななみが師匠になりました。
俺なんもしてないけど、良いのか……
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