天使の少女はクリスマスに街を歩く
露木 天葉
第0話天使の仕事
12月24日、クリスマス・イブ
この日、馬小屋でイエスキリストは生まれました。母マリアと、その夫ヨセフ愛され、祝福されながら。三人の賢者は馬小屋で生まれたイエスに贈り物をしたと言われています。
それから、クリスマスのお祝いには贈り物をすること、そして慈しみの心を持ってこの時期を迎えるというならわしができました。
クリスマスの天使の仕事は、人々のクリスマスの贈り物をリストに記録していくこと。贈り物は、クリスマスに欠かせない物のひとつ。それを天使たちは確認していく。本来の仕事は、神に仕えること、時に人に祝福を与えること。それだけじゃない、人や生き物の魂を運ぶのも大切な仕事の1つ。天使は仕事の予定を確認した。
今日、12月24日にも連れて行く魂がある。
これは、私の最後に記録した贈り物。家族を求める猫とひとりぼっちの少女の過ごしたクリスマスの物語。
冬の朝のふとん
柔らかいぬいぐるみ
誰かを抱きしめたいと思うこと。
誰かに抱きしめて欲しいと思うこと。
誰かを抱きしめることができること。
誰かに抱きしめてもらえること。
クリスマスに贈り物をすること。
クリスマスに贈り物をもらうこと。
クリスマスを幸せに過ごすこと。
女の子は、そのどれも、知りませんでした。もらったことも、ありませんでした。
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