金獅子3
捕えようと迫る尾を見て、私を攻略するために策を弄する
……いや、これは引き裂こうとしているようなものだね。
だが――
「逆に言えば魔力さえ伴っていれば、防御力など無視して一定量の魔力を強制的に奪われてしまうことにもなる。
ある意味今の
元々は
巻かれる尻尾を軽く跳んで避ければ、切り替えした
おや……想定外に速い。
呑み込まれてしまえば
で、あれだけの速度を見せて追撃してこない?
不思議な静止に、恭順でも見せるのかと思いきや、背後に巨体に似合うだけの大きさを誇る《
「なるほど! 確かに
あの恐ろしいまでの
しかし発射される
だとすれば何と学習能力の高いことか、と飛び交う《
彼女の
足を止めて次に放ったのは《
ちょこまかと回避する私を捕まえるために次に用意するのは、《水牢》を使った《
まさか他人の魔法を見るだけで再現するだなんて誰も思わないだろうね。
「ルゥゥゥラアアアァァァ!!」
「これはまた……」
それは踏み込ませないために周囲を赤熱した地面で囲み、一方的に攻撃するために小石逆巻く暴風を扱うのかね?
先日この場で私がアミルカーレ様との戦いで見せた第一位階の二つが再現されていた。
ふふ……ことごとく私の予想を超えてくれる。
「しかし、その程度は私ができることでしかないね?」
「グルッ!?」
《
力加減を間違えてしまうと消えないから少し面倒だけれど、驚いてもらえたなら報われるというものだね。
肉弾戦よりも魔法戦は私も望むところなので「もっと撃ち込んできても構わないよ?」と声を掛ける。
反応するように飛び出したのは《
「グラァァァ!!」
ぽんぽんと下位を合成して上位魔法を放ち始める
飛来する《
これはほんの下準備……果たして
二十発ほどの《
しかも揺らめく火の玉を発射しながら私へと向かってくる。
振り下ろされる左前足を《結界》で流すと、追随するように襲い来る《
タン、と右足を鳴らして飛び散った水を持ち上げこれも防いだ。
魔法を常駐させながらとなると処理の一部を奪われるはずだけれど、動きに精彩を欠いていないね?
体躯ごと振り回してきた渾身の右前足は、私の目からしてもかなりの速度だ。
ちょど《
そのとき、なんとなく
――ガシャン
絶対に壊れない強度を持っていた《結界》が砕かれた音に思わず目を見張る。
あの巨体の直撃を受ければいくら私の魔力量でも……と横へと無理に跳んで距離を取り急造の《結界》を展開した。
弾かれるように五メートルほども飛ばされてしまったが……
「今度は壊れていない? いや、そうかこれは――」
《
ははっ、なるほど! たしかに私は君に『例外なく魔力を奪い取る術式だ』と説明したな!
あぁ、本当に、君は! 私を楽しませてくれる!
たしかに先のように魔法からでさえ魔力を奪えるが、それに耐えうる強靭な身体が必要なので教えさえしなかったというのに!
唸り声を上げて止まった
地続きの魔法なら全部吸い上げるが、ひとたび接触が離れれば《
二度目の《結界》が壊れなかったのはそのためだ。
しかし。そう、しかし、だ。
そこまで《
高みの見物をしている場合でもなくなってしまった。
「ティアナ、君は私と『相対し得る者』に
「ガァァァっ!!」
咆哮とともに飛び掛って来る。
《結界》を崩す目的か、差し出すのは術式を灯した右前足だった。
励起させるのに魔力を使い、対象に触れられずに魔力が奪えなければ肉を外気に晒すかのように激痛が走るはず。
痛みを無視して?
いえ、感じていないのかもしれませんね。
悪い兆候で無ければいいのですが、と振り下ろされる右前足を《結界》で防いで壊させ、すぐ下に展開した《結界》で受け止めた。
「《
聞こえているかもわからないけれど、講義を怠るのは
しかしその防御も、一瞬で《
その間にするりと踏み込み、首に巻きつくマフラーへ手を伸ばし、地面へと引き倒して踏みつけた。
「
手に施した術式に魔力が
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