第4話 オツカイ
「終わったな
それでコイツらはどうすんだ」
常は刀を鞘に納刀して腰に差した
「あぁ
助かったよ
コイツらゴブリンは全て収納に入れて、ギルドに売るのさ
大した額にはならないがね
アンタにも半額な
ってそんな事も知らないのかい」
女はゴブリンを収納に入れていく
「賞金首か
俺は乗せてってくれれば金はいらねーよ」
常はゴブリンを見て触っていた
「そうかい
街まで乗せていくよ
アンタはどっかの坊っちゃんかなんかかい?
ってアンタ
何をしてんだ
ゴブリンの皮なんて剥いで」
常はゴブリンの皮を剥いでいた
「んあ
コイツらの特殊メイクを取ってやろうとしたんだが
特殊メイクだけを取れねーんだよ」
「はぁー
トクシュメイクってのはどういうのか知らんが
取れる訳無いだろ
皮が剥げるだけだ」
女はゴブリンを収納に入れていく
「ほー
簡単には取れねーのか
ネーチャンのその角も簡単には取れねーのか?」
常は女の方にゴブリンを持って行った
「当たり前だろ
簡単に取れてたまるか」
「そうか
まぁ
文化が違うだろからな
この国異世界では
特殊メイクを常にしてるって事か」
常は女にゴブリンを渡した
「何を言っているのかよくわからんが
アンタはこの国とは違う国から来たって事か?
最近来たのかい?」
「あぁ
今日来たところだ」
「今日来ただって」
「あぁ
ジンパってヤツに頼まれてな
来る事になったんだ」
「へっ
(聞き間違いか?)
もう一度聞いていいかな?」
「来る事になったんだ」
「その前は?」
「ジンパってヤツに頼まれてな」
「えっー
やっぱり聞き間違いじゃなかった」
「どうした?」
「いえ
なんでもありません」
「なんかあったか?」
「いえ
知らなかったとはいえ
数々の暴言
すみませんでした」
「は?
暴言なんて言って無ーだろ
それになんでそんなかたっくるしい言葉使いになってんだ?」
「あなた様はジンパ様の御使い(ミツカイ)様ですよね」
「んー
ミツカイ?
あっ
お使いの事か」
「そうですね
御使い(ミツカイ)とは呼ばずに御使い(オツカイ)とも呼びますね」
「やはりそうだったのか
お使いの事か
そうだな一応
お使いって事でも合ってるな
ジンパにこの国異世界で暮らして欲しいと頼まれてな
まぁモニターみたいなヤツだ」
「モニターとは分かりませんが
やはり
御使い(ミツカイ)様でしたか
これで話しが通じない訳は分かりました
長々と無礼をしてしまい
すみませんでした
アタ
私の名前はザッパ=トルテです
御使い(ミツカイ)様を王都へとお送りさせて頂きます」
「あぁ よろしく
ザッパ
それで俺の名前は早通塵(ハヤトチリ)常(ツネ)だ
おっとココは外国か
常が名前で早通塵が名字な」
「はい
承りました
ハヤトチリツネ様」
「あのさ」
「はい
なんでしょうか?」
「普通の言葉使いに
最初の方の言葉使いに戻してくれねーかな」
「そう言われましても
ジンパ様の御使い(ミツカイ)であられる御方のハヤトチリツネ様に無礼は出来ませんがー
ハヤトチリツネ様が仰っておられて
うーん
アタシはどうすればー」
「ジンパは偉いヤツなのか?」
「はい
偉いとかの次元では無い御方です」
「へー
そうだったのか」
「はい
それはもうかなり偉くて凄くて美しくて神々しい御方です」
「そうか
だが俺はジンパのお使いでココに来ていたとしても
ジンパが偉く凄く美しく神々しいのと俺自身は関係無いのではないだろうか」
「いやー
そうなのかな」
「それなら分かりました
俺もザッパ様と呼ばせて頂きます」
「えっー
それは困ります」
「そうですか
それではザッパ様行きましょうか」
「うー
二人きりの時だけです
だけだよ」
「あぁ
それでザッパが名前か?」
「は
うん(うんって、言葉使いが分からなくなってきた)」
「そうか
俺の事も常と呼んでくれ」
「分かりった
それでは参りうかツネさんや」
「あぁ
街までお願いします」
「頼まれますた
(はぁー
言葉使いがー
変になっていくー)」
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