虫の恋。

遠野 歩

虫の弱さ

きみの

笑顔が優しすぎて

ぼくは

自分の意地悪いじわるさが

身にみました


きみの心は

宝石で

ぼくは川辺の砂利じゃりんこで


きみの言葉は

虹色で

ぼくは 黒しか持ってない


そう きみは何も悪くない

ただ美しいだけ


だから、ぼくはあの時

そっと

あの場を去りました


遠くから見たきみは

もう

すでに、素敵な花を咲かせていて


ぼくは

自分が 大嫌いになりました


ただ、それだけのことです





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