3 社会学的説明図

図:https://19084.mitemin.net/i296474/


技術は自然環境に働きかけて社会を豊かにし、

政策は社会環境に働きかけて社会を健全に保つという、

文明から環境への働きかけを描いた図です。 

初めて社会環境という言葉を使ったのが社会学だったそうなので、

この名前をつけました。


図2の歴史学的説明図では、各要素の長期的かつ全体的な、

現象面での変化の流れを示しましたが、

この図では、各要素間の時々刻々リアルタイムで個別的な、

実体面での個別的な働きかけ合い、相互作用を示しています。


経済・社会活動を人間の身体、自然・社会環境を働きかけの客体として、

技術を右手、政策を左手とみると、

その実現に必要な物的資源が右ひじ、人的資源が左ひじに当たり、

印象イメージとして分りやすいかもしれません。


この図で重要な点は、3つあります。


第一に、技術と政策は、文明を支える二本柱です。

文明活動の本体は、全ての人々が営む経済・社会活動ですが、

それを豊かにするために専門分業化したのが科学・技術、

健全に保つために専門分業化したのが制度・政策であるといえましょう。


第二に、この図では、主として技術は自然環境に働きかけ、

政策は社会環境に働きかける、という面を重視しています。


組織技術のように社会を対象とし、政策を助ける

社会科学的な技術は、その例外のように見えます。

しかしそれは、『ああすればああなる』という一定の法則に従う、

人々の〝内なる自然〟を対象とした技術であるともいえます。


他方で環境政策など、技術的な政策は、

自然環境を対象とするようにも見えます。

しかし、この図でいう政策の対象は社会環境としての人々であり、

自然環境を対象とするのはそこで用いられる環境技術といえます。


第三に、環境とは技術や政策の対象であると共に、

以後の活動の基礎となる全ての物事の総称でもあります。


自然環境とは、地形、気候や天然資源などです。

それに対して社会環境とは、

周辺文明との関係や先行文明から引き継いだ文化、

さらにはそれまでの自文明の活動全ても含まれます。


ここで、政策の対象である社会環境には、

今までに自分達がしてきたこと全ても含まれるとなると、

政策はそれを変えていく自己制御である、ともいえます。

このことは次の図4〝生物学的説明図〟の考え方につながります。

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