夢のウィーン
少年は少女の手を振り払った。
「ごめん。今はきみと一緒にはいられない。僕、どうしてもウィーンに行きたいんだ」
少女は絞り出すような声で聞いた。
「いつか話してた、夢のためなの?」
「うん」
「夢って、いったいなんなの?」
「僕は、ウィーンに行って、どうしても本場で……」
少年は言った。
「自動ドアを開けるマイムをしながら『ウィーン』って言いたいんだ! ウィーンでウィーンって!」
「素敵……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます