そして、また手紙を書く。

 書こうと思って数日。

 夜に書いた手紙は出すなという。

 日中に起きた出来事から、考えや気持ちが落ち着いていない状態で書けば、余計なことを書いてしまう可能性も高いため、書いたあとは読み直し、確認してから出すのが良いという経験則から生まれた言葉である。

 というわけで、起き抜けに書いてみる。

 出来上がったものをノートPCに打ち込んでいく。

 寝起きとはいえ、落ち着いているわけではないらしい。

 文章の構成からやり直す。

 物語調にならないよう、結論を前に書き、説明ではなく思い出に変えていく。

 書くときは、とにかく読み手を楽しませるためならウソをついても構わないという。

 手紙もまた同じ。

 でも、それでは伝えたいことが伝わらない。

 だから文面の構成を考えなくてはいけない。

 そして、書き終えて投函。

 一週間かかった……。

 

 


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