再々々度書き直して書き上げて…

手紙を書こうと思い立つまで、あれこれ考える。

あれこれ考えて、ようやく書こうと手を動かす。

形から入ろうと、便箋を購入して気分を高める。

手紙も小説と同じ、文章に違いないはずである。

テンプレの定型文から始めるも、先に進まない。

考え過ぎて季節が変わり、定型文からやり直す。

文面を考えて、下書きをし、やはり気が変わる。

考えては直し、下書きに納得行かず、やり直す。

下書きを書き直し、便箋に書いては気が変わる。

文面と選んだ便箋が合わないため、無地を選択。

下書きをまたして、便箋に書いては気が変わる。

手紙が小説じみている気がし、すべてやり直す。

下書きをし終えて、便箋を書いては乱筆に嘆く。

書き上げた時には、便箋を使い切ってしまった。

当初考えたものよりは短くなった、はずである。

封筒に入れて切手を貼った時、嫌な予感がする。

計測した結果、25g超えたため、切手を追加。

投函するために近所の郵便ポストまで出かける。

ポストの場所より近くに住む相手へ送るために。

費用対効果を考えると、明らかにコスパが悪い。

悪いけれども、総合的に加味すると充足はある。

おそらく多分きっと、そうに違いないのである。


そして数時間後、宛名の相手と出会うのだった。

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