深夜の呟き

 珍しく遅くまでスナックで過ごしました。ダーサンは既に夢の中ですが、私はお風呂が沸くのを待っています。

 日付が変わってしまいました。


 いろんな話をしているうちに、ママさんに尋ねられました。

「どんな目標というか、どういう風に生きたいとかってありましたか?」

 一瞬、詰まってしまいました。

 たぶんママさんは私がとてもポジティブに生きてきた、と思っているのでしょう。今の私を見て、ネガティブな過去を想像する方が難しいとは思います。

 こんな時、どう話すべきなのかなと躊躇しましたが、私はありのままが信条なので、作らずに答えました。


「そもそも、私は生きていたく無かったので、先の事は考えない生き方をしていました」


 死にたい訳でもなく、生きたい訳でもない。無為に月日を見送った過去。

 もっとやれることがあったはずだと思う時もあるけれど、恥ずかしい生き方をしてきたと思うこともあるけれど、それが私の精一杯だったという事実は、今更変えられないのですよね。

 

 過去の私の一部分を『不可思議』に綴りながら、平穏な現在の自分がどれだけ伴侶に支えられているかを、痛感します。

 この人に出逢わなければ、今の私は居ません。たぶん両親を道連れに死んでいました。身勝手で浅はかで愚かな最期を選んでいました。

 未来を思い描けるのも、日々を笑って過ごせるのも、日常のささやかな幸せも、ダーサンのお陰です。


 今の私は思います。

「年老いても二人並んで、のんびりと日々を慈しみ過ごしたい」

 そんな未来を迎えられるように、生きていこうと。


 

*2018/12/20(木)


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