第184話
着替えを終えて具合を確かめる為に身を
「り、リリーカさん。何時からソコに……?」
「下着姿でクローゼットを眺めていた時からですわ」
そんな前からっ!?
「それにしても……お姉様って、ソソる――素敵なプロポーションをしておいでですわ」
なんか聞き捨てならない単語が含まれていた様な……
「そ、そんな事無いと思うけど……?」
口ではそう言ったが、実は私も中々にナイスバデェだと思っている。が、自分では口にしない。何故って、言われると嬉しいから。
「いえ。だってお姉様は――」
リリーカさんは人差し指で私の胸を持ち上げて落とす。
「たゆん。としてますもの。
今度は自分の胸を持ち上げて落とすリリーカさん。
「どぅるんっ。ですわ」
その表現ってどうなのよ。
「だ、大丈夫よ。リリーカさんはまだ十六なんだし、これからこれから。そうだ、後でバストアップ体操を教えてあげる」
「ば、ばすとあっぷたいそう……ですか? なんか凄そうですね。是非お願い致しますわ」
胸が膨らむとあって、希望が膨らんだリリーカさんの瞳は輝いていた。
冒険者ギルドはそこそこの賑わいをみせていた。旅の途中で立ち寄った冒険者さん達の情報交換の場でもあり、次へ進む為に路銀を稼ぐ場でもあり、そして荒事が起こりやすい場でもある。内容を聞いているとホントにつまらない事で争ってるんだけどね。
そのギルドの片隅に置かれた掲示板に張り出されている依頼書を、私とリリーカさんは眺めていた。
「無さそうですわね……」
「そうだねぇ……」
居候の『にぃちゃん』の捜索依頼が出されていないか確認しに来たのだが、どうやら無駄足だったみたい。と、突然、背中にゾクゾクっと電気の様な何かが走る。その原因は私の胸にあった。視線を落とすと、たゆん。としている胸に、十本の触手が絡み付いて蠢いている。
「ひうっ?!」
驚いて胸を押さえ、飛び退く様にそこから離れて振り返ると、面識のある人物が立っていた。
「る、ルリさん?!」
十本の触手を絡み付かせていたのは、東へ旅立った筈のルリさん。そのルリさんは、手の平を驚きの眼で見つめていた。
「やるじゃない」
なにが!?
「どうしてここに?」
「いやぁ、カーリィの奴が受けた依頼の所為で、また戻って来る事になっちゃってサ」
本来ならそのまま南に下る筈だったのが、手違いで……というより、カーリィさんがポカをやらかして、この街への護衛を受けてしまったのだという。そのカーリィさんは現在、宿屋で正座をさせられているらしい。可哀想に……
「とまあそんな訳で、暫くこの街に滞在する事になったから。ところでカナちゃん、そのエロい身体使う良い場所があるんだけど。行かない?」
エロいとか言わないでくれるかな。
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