k-188

 何度目かの夜を超え、ようやく次の街が見えてきた。おそらくあれがベイリーズ市だろう。



 野営の度に河原で緑耀石や黄硬岩をを探し、馬車の各パーツに属性付与をしていった。


 そのおかげなのか、1日の走破距離が1.5倍くらいに伸びた。馬にとって馬車は装備品という扱いになるらしい。



 ユリナさんとの夫婦関係も順調で、この分だと子供ができるのもそう遠くないかもしれない。


 今は出産なんて状況じゃないから、気をつけないといけないんだけど。




 それから馬車を進めること数時間、ベイリーズ市に到着したのは黄昏時だった。



 門衛のおっさんに止められた俺たちは、身分証明書代わりの冒険者ギルドカード、ユリナさんは服飾ギルドカードを見せて中に入った。



 なおユリナさんの服飾ギルドカードをよく見ると鉄(アイアン)クラスとそれなりのクラスにいるようだった。


 俺の冒険者ギルドカードも最初の劣鉄クラスから、青銅、銅、鉄(アイアン)と来て、サーペントを倒したあたりで貴鉄(ノーブルアイアン)クラスになっている。



 ユリナさん曰く、各ギルドの発行するカードのクラスが上位になればなるほど、身分証としての効力が上がるのだそう。


 ギルドによっては国家間にまたがっているものもあるそうだ。


 特に国家をまたいでモンスターを退治することを目的とする冒険者ギルドは、鉄クラス以上あれば国境を渡ることも可能らしい。


 ユリナさんの所属している服飾ギルドもそれなりに力のあるギルドだけど、残念ながら国をまたぐ組織ではないらしい。



 このまま逃げ続ければ、いつか国境にぶつかる。


 ユリナさんを冒険者ギルドのアイアンクラスにすることを早めに検討しておいてもいいかもしれない。



「まあ、焦っても仕方がない。ユリナさんも疲れてるだろうからな」



 俺は幌の中でアッシュの毛をブラシでとかすユリナさんに視線を向ける。世界一平和な絵面にほっこりする俺。



 せやな……、今日のところは宿をとって、ゆっくり休むとするか〜。



 それから門衛の勧めもあり、門近くにある『ファントムバードの寝床亭』という若干よだれが出そうな名前の宿屋に泊まることにしたのだった。


 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 ベイリーズ市に到着した主人公たちでした。


 このあたりの記述も書籍版からかなり変えてまして、ギルドのクラスの設定とか、国境云々のお話もここで初めて出したものになります。

 大筋から離れすぎず、細かい設定などを盛り込んでいけたら面白いんじゃないかと思うので、書いていきたいと思います。


 次回ユリナさんが冒険者になるかも?


(作者のモチベになりますので本作が気に入ったら、☆、♡、お気に入り登録、応援コメントよろしくお願いします🐉 書籍、コミック、ニコニコ漫画での連載も宜しくです🐕)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る