k-174

 昼下がり。


 念の為周りに仕掛けていたアンクルスネアを確認すると、野ウサギがかかっていた。


 さっそく野ウサギの皮を剥ぎ解体した。ウサギ肉にニンニクと塩を刷り込み、丸焼きにすることにした。


 辺りに肉汁たっぷりの何とも香ばしい匂いが漂いブルーウルフが寄ってきた。俺はダガーで削いで分けてやったら大喜びで食べていたよ。



 夕暮れ時。

 俺は横になっているユリナさんの肩を支えて起こした。良くなってきているとはいえ、まだ本調子じゃない。精のつくものを食べさせなくては。


 体を幌の柱に預けた彼女が、俺の顔を見て安心したようにほほ笑む。


 それから俺たちは今朝のスープの余りと、甘さ控えめのパンケーキ、そして先ほど作った採れたてコンガリジューシーなウサギの丸焼きを食べることにした。


 ユリナさんはとても喜んで食べてくれた。


 食いしん坊のアッシュはユリナさんにおねだりすれば大好物のお肉を無限ループできることを学習したのか、食事の間ユリナさんにずっとひっついていた。



「ユリナさん、アッシュにあんまり食べさせすぎないでね」



 俺がそういうと、ユリナさんは「アッシュが可愛くてついついあげたくなる」とジェスチャーで伝えてきた。


 まあ、俺もそうなんだけどね。



「アッシュ、お前そんなに食べてたらお相撲さんになっちゃうぞ?」



 そうアッシュに注意するも、当人はどこ吹く風。夢中でウサギの丸焼きをはぐはぐしていたよ。



 夕食後、お湯で体を綺麗にした俺たちは、一緒の布団で眠ることにした。ユリナさんはもうすっかり元気になっていたので、徹夜で看病する必要まではなくなっていたからだ。


 もちろんまだ薬は飲んでもらったけど。


 昨日看病して疲労が溜まっていたのか、俺は布団に入って早々に意識を手放したのだった。


 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 ようやくユリナさんの病気が治ったようです。太ったことを「お相撲さんになっちゃうぞ?」は実際私の食いしん坊な愛犬に言っていた言葉でもあります。


(作者のモチベになりますので本作が気に入ったら、☆、♡、お気に入り登録、応援コメントよろしくお願いします🐉 書籍、コミック、ニコニコ漫画での連載も宜しくです🐕)

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