k-56
俺はマルゴのことを友人だと思っている。
それにも理由があって、孤独をこよなく愛し、そして矛盾するように、どこか寂しがり屋なところが似ている気がする。
普段は陽気で貫禄があって、弱みは見せないおっさんだがな。
マルゴのあの貫禄からすると、きっと嫁さんがいるのだろうなとは思いつつも、未だかつて見たことはない。何らかの事情があると思われるが、わざわざ筆談をしてまでする話ではない。
マルゴも話したくなったら話すだろう。俺はあえてそのようなことまでは立ち入らない。
気楽に風呂でも入って、陽気に酒でも酌み交わす程度の関係で十分なのだ。
商社勤め時代、外国人と知り合いになることがあった。逆に言葉が十分通じないことで、余計にプライバシーに踏み込まないし、踏み込まれない距離感が心地よかった経験が沢山ある。
――言葉の壁を乗り越えることで友情が生まれるものなのだ。
マルゴとの関係もそれに近いというか、まさにそれだ。
なので、彼にとって大切なプライバシーには、あえて触れない。
サラサやジュノにしたって同じことだ。俺も、彼らの立ち居振る舞いを見て感じることはあるが、あえて立ち入るようなことはしない。
俺は、そういう人間だ。
昔友人と二人で飲みに行き、酒に酔って、必要以上にその友人の心の中に踏み込んでしまい後悔した経験がある。
しかし、この世界ではそもそも言葉が通じないので、その心配はない。言葉を選ぶ必要がない分、逆に気楽で心地よい。酒を一緒に飲むにしても、何の気兼ねもいらないのが嬉しい。
俺は、割と今の人間関係が大好きだ。
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みなさんこんにちは! ここまでお読み頂きありがとうございます。
ケイゴはきちんと異世界で友達できたみたいです。良かった……。
(作者のモチベになりますので本作が気に入ったら、☆、♡、お気に入り登録、応援コメントよろしくお願いします🐉 書籍、コミック、ニコニコ漫画での連載も宜しくです🐕)
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