中高生諸君、といえるほどの立場ではないけれど――

ツイッターでもちょろっと言ったけど、でも大変なのはやっぱ生徒さんたちだよなあ。私はこれで嬉しい嬉しい休みが嬉しいって言ってるけど、彼らは、とくに受験生は、たゆまず勉強せねばいけない。私も、そのように明確に指示をしている。年末年始だからとだらけず、勉強をかならず毎日このくらいはするように、と。


けど、そういうのはある意味杞憂なのかもしれない。どうしてもこんな立場だと教えているときには相手を「生徒」として扱わねばいけないけど、中学生や高校生なんて、ほんとうは物語の主人公にもっともふさわしいかもしれない種類のひとたちなのだ。

私の前では勉強のことで殊勝にしていても、彼らはかならず彼らの世界で、いま、物語を過ごしている。つむいでいる。



そう思うと、私の気持ちもちょっとらくになる。ああ、気負いすぎなくていい、って。

中三、あるいは高三の冬休み、年末年始。透き通る季節だろう。私の前ではどうしたって受験生、勉強を教わる立場としてつまらないほど真面目であっても、その奥では、透き通ってほしい。私は、若者のうつくしさをいまでもずっと信じている。自分が若者でなくなっても。そして、若者ではない立場から見た、若者のほんとうのところというものをみてしまっても。知ってしまっても。なおさら。




彼らが透き通れることを、私はずっと知っている。

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